研究分担者 |
友池 仁暢 九州大学, 医学部, 講 (90112333)
赤池 紀生 九州大学, 医学部, 助教授 (30040182)
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
竹下 彰 九州大学, 医学部, 助教授 (30038814)
金出 英夫 九州大学, 医学部, 講師 (80038851)
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研究概要 |
1.冠動脈攣縮の発生機序: (1)in vitroにおける研究方法の確立 生体で再現性良く誘発される冠動脈攣縮の発生機序を明らかにするにはin vitroの条件下で分析的且つ定量的な解析が必要である. 冠動脈造影で攣縮の誘発とその発生部位を確認した後心臓を摘出し, 等圧灌流装置に装着した. 冠動脈内径の変化を生体位と同様冠動脈造影で評価した. 電解質液灌流下でもhistamineによって生体位と同様の攣縮を再現することができた. この成績はミニ豚における冠動脈攣縮が血管壁自体の過剰収縮によって生じたことを示唆する. (2)冠動脈攣縮の発生機序:摘出心におけるhistamine誘発冠動脈攣縮はH_1遮断剤前投与あるいは無Ca液下では抑制され, 交感神経遮断薬の前投与では抑制出来なかった. 従って, 冠動脈攣縮はH_1レセプターを介するCa^<++>の過剰流入によると想定された. (3)攣縮部冠動脈と対側の内膜非剥離部から血管壁を切り出し等尺性張力測定装置に懸垂し, 血管作動薬に対する用量一作用関係を調べた. 攣縮部における内皮細胞依存性弛緩反応の抑制と中腹平滑筋におけるhistamine収縮の増強を見出した. 2.血管平滑筋の収縮・弛緩機序の細胞レベルでの解析: (1)培養血管平滑筋細胞におけるCa^<++>動態解析方法の確立と細胞内Ca^<++>動員機構の解明にラット胸部大動脈中膜平滑筋細胞を分離し, 初代の培養細胞にCa感受性蛍光色素guin-2を取り込ませた. 本法は細胞内の微小領域(<1μm^2)の自由Ca濃度変化を顕微測光によって定量的に評価する事が可能である. 本研究では膜電位に依存してCaを放出する細胞内のCa^<++>蓄積部位とカフェインによって放出されるCa^<++>蓄積部位が同一である事を明らかにした. (2)血管平滑筋細胞膜アドレノセプターの解析:ブタ冠動脈と大動脈の細胞膜分画について, α, β両レセプターの分布を明らかにした.
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