研究分担者 |
倉知 正佳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80019603)
小島 一彦 金沢大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60019916)
松田 博史 金沢大学, 医学部付属病院, 助手 (90173848)
柴 和弘 金沢大学, アイソトープ総合センター, 助手 (40143929)
森 厚文 金沢大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (90019604)
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研究概要 |
正常ラット脳を用いて脳内神経伝達物質に対する種々の受容体の定量的測定をホモジネートを用いたインビトロアッセイおよび受容体オートラジオグラフィ法により行い、その各部位ごとの正常値を求めた。従来、ホモジネート脳を用いた場合と受容体オートラジオグラフィ法を用いた場合には、得られる最大結合濃度や平衡時の解離定数に差異がみられると報告されていたがインキュベーション温度、時間、加えるリガンドの濃度や容量等を至適に保てば両者の場合でほぼ同等の値が得られることを発見した。また定量化のための新しい数学的解析法を開発し、アンタゴニストやアゴニストが結合することにより isomerization を受けた受容体とそれを受けない受容体を分離して評価することに成功した。標識物質の合成に関しては【^(99m)Tc】キレート剤の合成に成功し、これに種々の神経伝達物質を結合させることを検討中である。精神分裂病のモデルの作製に関しては、ラット体内に小型の浸透圧ポンプを埋めこみメタアンフェタミンを1週間から2週間で持続投与する方法と、6-hydroxydopamine をラット前頭前野に定位脳固定装置を用いて注入する方法を検討中であり、これらの両法で得られる結果を比較する予定である。また分裂病モデルとの対比として、レセルピン,クロミプラシン,マプロチリンをラットに投与することによりよりうつ病モデルも作製している。得られたオートラジオグラムはわれわれが開発したパーソナルコンピュータを用いた画像処理システムによりディジタル化している。このシステムにより迅速なオートラジオグラムのディジタル化,画像間の演算,関心領域処理,フィルター処理等が可能になった。多核種オートラジオグラフィ法も検討しており、新しい二重標識オートラジオグラフィ法として2,2-dimethoxypropaneを用いた化学洗浄法を開発した。この方法によれば二種類の長半減期核種を用いても独立した像を得ることができる。
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