研究分担者 |
野口 民男 大阪大学, 医学部, 助手 (70135721)
小杉 圭右 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00153544)
日高 秀樹 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80156603)
柏木 厚典 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20127210)
原納 優 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10028615)
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研究概要 |
1.低Bリポ蛋白血症の病態と遺伝子解析:本年度は血中アポB-100及び48のisoform,赤血球の変化(acanthocytosis),Northern blottingによる患者白血球の遺伝子分析を行った。ホモ例ではLOL,VLDLにはB-100はごくわずかに存在するに過ぎずB-48の存在も検出が困難であった。カイロミクロンではB-48は存在したが血中での停滞が特徴的であった。アポB-150CDNA(3′,5′末端及び中心部)を用いてNorthern blottingによる患者リンパ球の分析では3′側にpoiymorphismがみられたが他にはmajor deletion或いはinsertionはみられなかった。acanthocytesはコレステロール,スフィンゴミエリコが増加しレミチン含量が低下していた。ホモでは約2-3割、ヘテロでは1割以下に観察され37℃におけるincubationによりspur cellの出現は対照に比し明かに大であり低Bリポ蛋白血症における脆弱性が証明され、過酸化脂質との関連が示唆された。2.脳及び心血管障害と異常LDL:脳血管造影で確認した脳血管障害150例以上について血中chol,TGが正常でもアポA-1の低値、Bの高値が存在し、特にLDLのch01/apoB比の低下が血管障害群で有意にみられapoB rich LDLがrisk factorになっていることを明かにした。過酸化LDLの増加も同時に認められた。冠動脉硬化症においてもchol/apoB比はLDLにおいて低下していた。3.肝及びmacrophageにおけるLDL、変性LDL活性:肝実質細胞はLDL,acetyl LDL,BU LDLに対し高い活性を有し内皮細胞はacetyl LDL,BU LDLに主として活性を示した。高脂肪食ではBV LDL経路の抑制が認められた。変性LDLを代謝するmacrophage系を確立し、これを用い糖尿病や動脈硬化症のLDL活性が検討可能である。
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