• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

新しい病態概念"筋原性高尿酸血症"に関する基礎的および臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61440051
研究機関大阪大学

研究代表者

垂井 清一郎  阪大, 医学部, 教授 (00028341)

研究分担者 山田 祐也  大阪大学, 医学部附属病院, 医員
嶺尾 郁夫  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40243240)
松山 辰男  大阪大学, 医学部, 助手 (40112057)
河野 典夫  大阪大学, 医学部, 講師 (30093412)
キーワード糖原病 / 高尿酸血症 / 骨格筋 / プリンヌクレオチド / イノシン / アンモニア / ヒポキサンチン
研究概要

初年度にあたる本年は、骨格筋におけるエネルギー代謝とプリン体異化代謝に関する基礎的検討を行い、以下の研究成果を得た。まず、実験動物(ラット)を用いて電気刺激下筋運動に伴う筋肉内のプリンヌクレオチド,プリンヌクレオシド,オキシプリン,グリコーゲン,ホスホクレアチン含量の変動を分析した。好気的条件下では、白筋において、グリコーゲン,ホスホクレアチンが減少するのに伴いアデニンヌクレオチドプールも減少し、IMP,イノシン、ヒポキサンチンが著増した。赤筋では、この様な変動は見られなかった。運動時の筋プリンヌクレオチド分解は、解糖系への依存が大きい白筋で活発であることを明らかにした。嫌気的条件下では、赤筋においてもプリンヌクレオチドの分解を認めた。これは、赤筋では酸化的リン酸化反応への依存が大きいことに基づく所見である。次に筋糖原病を中心とする代謝性ミオパチー患者を対象に、私共が改良考案した部分的阻血下前腕運動試験を行い、肘静脈血中のメタボライトの変動を分析した。糖原病【III】型,【V】型,【VII】型では乳酸はほとんど増加しないが、逆にイノシンやヒポキサンチンが著しく過大に増加し、運動時に患者骨格筋から血中へ多量のプリン代謝物質が放出される新知見を得た。さらに【III】型,【V】型,【VII】型ではアンモニアも過大に増加することから、骨格筋の解糖障害に起因して、AMP→IMP+アンモニア→イノシン→ヒポキサンチンの異化反応で示されるプリンヌクレオチド分解が亢進することを明らかにした。筋肉内にグリコーゲンは蓄積するが運動筋のエネルギー代謝に障害のない糖原病【II】型では、乳酸,アンモニア,ヒポキサンチンの各反応は正常であった。原発性副甲状線機能低下症に伴うミオパチーでは、乳酸に比べ相対的にアンモニア,ヒポキサンチンが過大反応を示し、筋プリンヌクレオチド分解が軽度亢進することも明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] N.Hara et al.: Muscle & Nerve.

  • [文献書誌] I.Mineo et al.: Marginal Nutritional Status:Basic and Clinical Consideration.

  • [文献書誌] 嶺尾郁夫 他: 臨床代謝学会記録.

  • [文献書誌] 垂井清一郎: 日本内科学会雑誌. 76. 217-219 (1987)

  • [文献書誌] 原尚子 他: 臨症代謝学会記録.

  • [文献書誌] 河野典夫: "筋原性高尿酸血症,新内科学大系" 中山書店, 17 (1986)

  • [文献書誌] 嶺尾郁夫: "筋AMPデアミナーゼ欠損症,新内科学大系" 中山書店,

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2017-04-05  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi