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1988 年度 実績報告書

血漿リポ蛋白異常症の遺伝素因の分子生物学的解析と治療法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61440053
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

山本 章  国立循環器病センター研究所, 病因部, 部長 (00028408)

研究分担者 高木 敦子  国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室員 (90179416)
池田 康行  国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室員 (90176107)
田嶋 正二  国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室長 (50132931)
三宅 康子  国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室長 (00132936)
山村 卓  国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室長 (20132938)
キーワード高脂血症 / 血漿リポ蛋白 / 家族性高コンステロール血症 / 低密度リポ蛋白レセプター(LDLレセプター) / アポリポ蛋白E5とE7 / 動脈硬化 / マクロファージ
研究概要

(1)家族性高コレステロール血症(FH)におけるLDLレセプター異常の解析:これまで蛋白質合成面からLDLレセプター異常を解析した16家系のFHホモ接合体の中に、見かけ上の分子量が12万と小さく、抗LDLレセプター抗体と反応するにもかかわらず^<125>I標識LDLを結合する能力著しく低下し、リサイクリングの障害されている新しい変異が見出された。培養線維芽細胞を用いてリポ蛋白の結合を詳しく調べた所、このレセプターはアポEをもつβーVLDLをかなり良く結合することがわかった。現在遺伝子異常の解析を進めて居り、LDL結合領域の最後の繰り返し構造からEGF前駆相同領域にかけてこの部分の欠失が推定されている。(2)動脈硬化に関連したアポリポ蛋白Eの変異の解析:昨年度のアポE5の変異点の解析につづいて本年はアポE7の解析を行った。患者白血球から採取したDNAのアポE全遺伝子を含む11kbの断片をλファージに組込んでクローニングした後、ψ2細胞に発現させE7をもつクローンを同定、この株のアポE遺伝子を定法によって解析した。この結果E7はN末端から第244番目と245番目のGluがいづれもLysに変異(塩基はG→Aの点変異)したものであることがわかった。なおE5について線維芽細胞のレセプターへのLDLの結合に対する干渉をしらべた結果、正常のE(E3)よりも強い干渉が見られ、これが患者の高LDL血の原因であると推測された。
(3)薬物による黄色腫退縮機構の細胞生物学的研究:培養マクロファージ系細胞THPIおよびUE12を用い、アセチルLDL存在下における脂質蓄積(泡沫細胞形成)に対する薬物の影響をしらべた。Prooxidantであるアロキサンやメナジオンは泡沫細胞形成を促進し、プロブコールは著明に抑制した。これによって抗脂血症薬のプロブコールのもつ黄色腫退縮作用が抗酸化作用によることが明らかにかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Funahashi,T.;Miyake,Y.;Yamanoto,A.;Matsuzawa,Y.;Kishino,B.: Human Genetics. 79. 103-108 (1988)

  • [文献書誌] Tajima,S.;Yamamura,T.;Yamamoto,A.: J.Biochem.(Tokyo). 104. 48-52 (1988)

  • [文献書誌] Tajima,S.;Yamamura,T.;Menju,M.;Yamamoto,A.: J.Biochem.(Tokyo). 105. 249-253 (1989)

  • [文献書誌] Nishikawa,O.;Yokoyama,S.;Okabe,H.;Yamamoto,A.: J.Biochem.(Tokyo). 103. 188-194 (1988)

  • [文献書誌] Yamamoto,A.;Horibe,H.;Sawada,S.;Uyama,M.;Matsuzawa,Y.;Yamamura,T.;Yokoyama,S.;Kasagi,F.;Kameda,K.: Preventive Medicine. 17. 93-108 (1988)

  • [文献書誌] Yamamoto,A.;Hara,H.;Takaichi,S.;Wakasugi,J.;Tomikawa,M.: Am.J.Cardiol.62. 31B-36B (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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