研究分担者 |
高木 敦子 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (90179416)
池田 康行 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (90176107)
田嶋 正二 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (50132931)
三宅 康子 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (00132936)
山村 卓 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (20132938)
YAKOYAMA Shinji NCVC, Dept. Etiology/Pathogenesis, Chief (10142192)
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研究概要 |
1)家族性高コレステロ-ル血症におけるLDLレセプタ-異常の解析:ホモ接合体17家系について線維芽細胞を材料にしてLDLレセプタ-活性の測定を行い、蛋白質レベルでの解析で遺伝的変異の多様性を証明した。現在遺伝子解析を進めているが、その中の1例において、EG下前駆体相同領域(第7から第14エクソン)の完全な欠損のためにβーVLDL(アポE)は結合出来るがLDL(アポB)を結合出来ず、リサイクリングの障害された変異が見出された。臨床症状との対比において、レセプタ-機能が僅かでも残っている変異体では完全欠損例に比べて動脈硬化の進展が比較的遅いことがわかり、LDLレセプタ-が生体のコレステロ-ル代謝に果す役割の重要性が認識された(文献1,2)。 2)動脈硬化に関連したアポリポ蛋白Eの変異:アポEにはE4、E3、E2の3つの同位体があるが、これに加えて、E5、E7という日本人の中で比較的頻度の高い変異を見出し、遺伝子解析の結果,E5はE3からGlu3(GAG)→Lys(AAG)、E7はGlu244、245(GAG→AAG)の変化をしたものとわかった。いづれも心筋梗塞患者の中に高率に見出され、おそらくLDLレセプタ-への強い干渉にために血漿LDLのクリアランスを妨げることによると推測された(文献4、5)。 3)I型高リポ蛋白血症におけるリポ蛋白リバ-ゼ欠損の分子レベルでの解析:リポ蛋白リバ-ゼと肝臓トリグリセライドリバ-ゼに対する特異抗体を作成し、これを用いてヘパリン静注後血漿中の両酵素の分別定量を行い、酵素欠損を診断した。一家系において血液単球マクロファ-ジを用い、酵素の合成が欠損していることを証明した。mRNAはごく僅かのみ認められ、遺伝子のRFLPでは異常を認めていない。(文献3)。 4)コレステロ-ルエステル転送蛋白異常の解析:同蛋白の受け皿としてのHDLの機能の悪い高HDL血症の一家系を発見した(文献6)。
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