研究課題/領域番号 |
61440056
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
武藤 輝一 新潟大学, 医学部, 教授 (80018308)
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研究分担者 |
塚田 一博 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (90171967)
吉川 恵次 新潟大学, 医学部附属病院, 助教授 (60143765)
田中 乙雄 新潟大学, 医学部, 講師 (50134929)
松原 要一 新潟大学, 医学部, 講師 (90111723)
佐々木 公一 新潟大学, 医学部, 講師 (90111715)
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キーワード | 選択的脳冬眠療法 / 外科侵襲 / エネルギ-消費量 / 栄養管理 |
研究概要 |
1.臨床的研究:種々病態下での呼気ガス分析による酸素消費量と炭酸ガス排泄量の測定により,個々の患者のエネルギ-消費量の検討が、臨床的検査法として確立された。ただし測定機械の機種により、多少測定値に差がみられ、これまで使用していたマスクおよび挿管チュ-ブの呼気分析機RM200に比ベ、最近の頭部フ-ド法(キヤノピ-法)のデルタトラックの値は約10%低く、hypometabolicと判定しやすいことがわかった。しかし全体の相関は良好なため代謝変動をとらえること可能である。現在重症外科患者の栄養投与量は安静時エネルギ-消費量(REE)を測定して安全に投与できるようになった。大手術侵襲で術前に比べ20〜50%のエネルギ-消費量の亢進がみられている。さらに重篤な合併症発生例では、しばしば50%以上の亢進がみられ、外因性エネルギ-基質の投与が容易でない病態であることが明らかになっている。したがって本研究の選択脳冬眠療法の適応となると考えているが、多臓器不全、特に肝障害やDICなど合併する重症例では循環系が安定しない可能性があるため、呼吸不全(肺炎など)が適応となると考えられている。 2.動物実験では、筋弛緩剤投与下人工呼吸機を装着し、ネンブタ-ル初回量20mg/Kgiv、維持量5mg/Kg/h持続点滴投与により脳波上Burst and Suppressionを認め、2〜3時間以後約25%の酸素消費量およびREEの減少を認めた。当初の予測よりやや低下減少の大きいものがあったが、これは低体温となるものがあったためである。保温を行い1℃以上の低下がおこらないようにすれば、脳を除く各臓器の代謝が良好に行われるものと考えられる。 3.以上より今後、本法施行下の糖、蛋白、脂肪代謝の変動と、損傷組織の修復に関するより詳細な検討を行う予定である。
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