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1986 年度 実績報告書

核DNA定量による消化器腫瘍性疾患の統一的分類の試み

研究課題

研究課題/領域番号 61440059
研究機関東京大学

研究代表者

武藤 徹一郎  東大, 医学部, 助教授 (20110695)

研究分担者 小西 文雄  自治医科大学, 消化器外科, 講師 (20142242)
永井 秀雄  東京大学, 医学部第一外科, 医員
大矢 正俊  東京大学, 医学部第一外科, 医員 (80254944)
和田 祥之  東京大学, 医学部第一外科, 助手 (70107647)
古田 雄一  東京大学, 医学部第一外科, 助手 (80173540)
キーワード大腸腺腫 / 腺腫内癌 / DNA定量
研究概要

落射式螢光顕微鏡を用いての組織DNA定量法には、10μの厚切り切片を用いて組織標本上で行う定量法と、細胞をバラバラにして細胞単位で行う定量法とがある。前者には組織所見と一対一の対応をさせながらDNAが測定できるという長所があるが、測定可能な細胞数が少ないという欠点がある。一方、後者には多数の細胞のDNA測定が可能であるという長所の代りに、組織所見との一対一の対応が難しいという短所がある。組織DNA測定研究においては、両者の測定値の一致度を確認しておくことが大切であると考えられる。器械の購入以来、私共は先ずこの問題に焦点を絞り、観察細胞数の少い組織切片上のDNA測定法でも、分離期の細胞のみのDNAを測定すれば、ploidy patternが正確に表現されうることを確かめた。私共の中心的な研究課題の1つである大腸腺腫内の異型度のDNAによる再分類のために、組織標本上のどの部位のDNA値がいくらであるかを測定することが最も大切であるからである。
現時点で以下の事が明かになった。(1)mild displasiaの腺腫の部分はdiplaidを示していた。(2)severe dysplasia(癌)の部分はaneuploidを示していた。(3)amoderate dysplasiaの部分にはdiploidとaneuploidを示すものがあり、moderate dysplasiaが腺腫の組織レベルでの前癌病変であるという、従来からの私共の主張が裏付けられたが、今後より多くの症例による詳細な分析が必要であろう。
de novo癌と考えられた陥凹型早期癌の一部にもdiploidを示す部分が含まれている例があり、この病変における腺腫の混存が示唆された。de novo癌の判定にもDNA測定は有力な方法となる可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 武藤徹一郎 ほか: 臨床と研究. 63. 1941-1946 (1986)

  • [文献書誌] 武藤徹一郎: 胃と腸. 21. 939-946 (1986)

  • [文献書誌] 武藤徹一郎: 医学のあゆみ. 137. 677-680 (1986)

  • [文献書誌] T.Muto et al: Dis.Colon Rectum. 28. 847-851 (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2017-04-05  

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