研究課題/領域番号 |
61440062
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
阿久津 哲造 循病セ, その他, 研究員 (40150221)
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研究分担者 |
梅津 光生 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (90132927)
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (60142189)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00142183)
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (60028595)
高谷 節雄 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (40154786)
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キーワード | プッシャープレート型人工心臓 / FILL / EMPTYモード / 全置換型人工心臓 / 光センサー / ヘモグロビン酸素飽和度 |
研究概要 |
前年度迄は、体重50〜60Kgの成山羊を使用して、心臓置換の実験を行なったが、山羊特有の体外循環に対する問題で、本年度は動物を生後3ケ月、体重80〜90Kg胸囲90cm以上の子牛に変更した。そこで、子牛用のプッシャープレート型人工心臓を新たに設計、作製した。左右ポンプの一回拍出量をそれぞれ約93cc,80ccに、流入出弁は29,25mmのBS弁に変更した。IN VITROテスト結果、前負荷10mmHg,後負荷94mmHg及び41mmHgの条件で、ポンプ流量は約11L/MINが得られた。このポンプを使用して、本年度は、計6頭の子牛に埋め込みを行なった結果、その内の一頭は18日間生存した。駆動方式は左右独自に充満すれば拍出するFILL/EMPTYモードで行なった。術後ヘマトクリットの減少が見られ、輸血を必要としたが、ポンプ流量も体重1Kg当り120〜140cc/minで血行動態及び代謝状態もほぼ正常値が得られた。しかし、術後18日目に、駆動装置の左空気回路の電磁弁の故障で死亡した。解剖結果、流入,流出コネクターの部位に多量のVEGETATION及び血栓形成を認めた。これは、ポンプポートとコネクターとの間に血液が侵入して血栓形成の根源となったものである。この所見に従って、コネクターをシリコン性の柔軟なものからネジ式(袋ナット)に変更して、ポートとコネクターとの透き間をなくすようにした。この改良に従って行なった最近の実験では、胸腔内でのポンプの収まり具合が悪く、低流量で長期生存は得られなかった。そこで、胸腔内でのFITTINGを改良する目的で左右ポンプのポートの方向を再検討して、血液側ハウジングを再設計している。この実験と平行して、末梢組織の酸素需要に応じた人工心臓の自動制御方式の検討を進めているが、血液中のヘモグロビン含有量及び酸素飽和度測定用センサーの開発を行ない、両心バイパス実験で基礎データの収集を行なっている。
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