研究分担者 |
木下 正之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00183301)
野田 裕幸 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (20183551)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00142183)
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (60028595)
高谷 節雄 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (40154786)
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研究概要 |
本年度は, 前年度に続いて人工心臓で長期生存例を得る事を主体に, 仔牛を使用して研究を行った. 先づ, 胸腔内でのFITTINGを改良する目的で, 左右ポンプのポートの方向を再設計した. 続いて, ポンプと生体との界面である流X, 流出コネクターの改良を行い, 長期使用に際して血栓形成が発生しないよう努力した. 人工心臓はプッシャープレート型で, 左右の一回拍出量はそれぞれ70と60ccである. 駆動方式は, ホールセンサのプレート位置信号によるFILL/EMPTYで, 左右別々に駆動した. 成績としては, 2頭(生存日数69と81日)を長期間生存させることに成功した. 1頭目は, 術後62日前後に右ポンプのドライブラインに血液を認めたことから, 右ダイアフラムが破れたと推定, 右ポンプを停止して, 左ポンプだけで約一週間生かした. 死因は, 全体の流量低下による衰弱死であったが, 右ポンプダイアフラムの破れが根本的な原因である. 2頭目は術後80日項, 左ポンプのダイアフラムの破れによる空気エンボリズムで, 全体の状態が悪化したため, 81日目に失った. 解剖処見では, 血管内に空気が認められた事から空気エンボリズムと断定, また左ポンプのコンボルーション部位に, ピンホールが認められた. 従って, 本年度は, 2頭で69と81日の長期生存を得たが, いずれもダイアフラムの破れから起った空気エンボリズムで失ったため, ダイアフラム作成方法の検討を行っている. なお, 流入, 流出コネクター部位での血栓形成は最小値であった. ポンプ内では, ダイアフラムとハウジングのジャンクションに血栓形成が認められたが, 最小限であった. 今後, ダイアフラム作成方法を検討して研究を続ける予定である.
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