研究課題/領域番号 |
61440071
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高木 繁夫 日大, 医学部, 教授 (80058635)
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研究分担者 |
山本 樹生 日本大学, 医学部, 助手 (40167721)
三宅 良明 日本大学, 医学部, 助手 (20183634)
赤嶺 和成 日本大学, 医学部, 助手
松浦 真彦 日本大学, 医学部, 助手 (10175599)
坂田 寿衛 日本大学, 医学部, 講師 (00059817)
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キーワード | 子宮収縮 / 腹部体表面電位 / 二次元画像表示 / 陣痛の発生部位 / 陣痛の伝播様式 / 切迫早産 / 切迫早産の予後判定 |
研究概要 |
子宮収縮を動的にとらえ、それをもとにして陣痛を解析するために、子宮活動電位を腹壁より腹部体表面電位として記録し、腹壁から得られる種々の非信号電位を除外するためのコンピューターソフトを独自に開発し、子宮収縮に伴なう電位のみを抽出、さらにその電位の変化を多誘導し、正常の子宮収縮時における子宮収縮活動の伝導様式を動的に二次元画像として表示し、陣痛のパターン分析、発生部位、伝播様式、分娩進行との相関について検討した。さらに早産を臨床的に区別を行なうべく生理的な子宮収縮と病的な子宮収縮を解析して、切迫早産の予後判定についても検討し若干の成績を得た。1 満期産分娩時の陣痛をパターン分析すると左右どちらかの卵管角部から収縮が始まり、活動電位のpower値が下部に拡大、やがて子宮全体を占め弛緩期は下部からそれが消失していく同期化(Synchronous)パターンと子宮体部各部から収縮が始まり子宮全体を占めることなく消失していく不同期化(Asynchronous)パターンに分けることが出来る。 2 子宮収縮の出現部位をみると同期化パターンはそれが単一で、不同期化パターンは複数であった。単一出現部位の同期化パターンで子宮底付近より発生する場合が多く、発生部位と胎位の間には相関はみられなかった。 3 子宮収縮の伝播に関しては収縮のhigh power部が拡大し子宮全体に拡がるgeneralizeタイプと局所にとどまるLocalタイプの2つに分類出来た。 4 同期化パターンと不同期化パターンの分娩進行との関連については同期化パターンの方がFriedman曲線の最大勾配からみると良好であった。 5 切迫流産で予後良好例ではその電位はlow voltage、不同期化パターンが多く不良例ではhigh voltage、同期化パターンを示した。又子宮筋弛緩剤を投与し有効な場合はその電位はlow voltageになり不同期化パターンになっていく様相を呈した。
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