研究分担者 |
正岡 直樹 日本大学, 医学部・産婦人科, 助手
高木 健次郎 日本大学, 医学部・産婦人科, 助手
松浦 真彦 日本大学, 医学部・産婦人科, 助手
三宅 良明 日本大学, 医学部・産婦人科, 助手 (20183634)
坂田 寿衛 日本大学, 医学部・産婦人科, 講師 (00059817)
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研究概要 |
昨年度,我々が開発した腹部体表面電位より採取した子宮電図を用いて二次元画像表示による正常陣痛の解析について報告したが,本年度は異常子宮,異常陣痛,早産時の子宮収縮に対して同様の方法を用いて解析を加えた. 異常子宮のうち子宮筋腫の場合,筋腫部分の子宮筋は子宮収縮が起ってもパワーの上昇が見られなかった. 又両側卵管角部を切除して卵管移植手術を施行した後妊娠した症例においては子宮底部中央から収縮の始まる同期化パターンを示した. 一方異常収縮のうち微弱陣痛の場合,Oxytocin(以下Oxt.)を投与して内圧の上昇を見ても二次元画像で同期化しないものはOxt.終了後再び微弱陣痛となるが,同期化する場合はOxt.終了後も陣痛は増強し分娩に至るようである. 切迫早産の場合,予後良好例では不同期化パターンを示し,予後不良例では同期化パターンを示した. 又子宮筋弛緩剤を投与すると内圧が強くても不同期化パターンを示した場合は投与後直ちにパターンは同じ不同期化パターンであってもパワースペクトラムを見るとパワ値が減少している.しかし,同期化パターンを示した場合は弛緩剤投与後パワースペクトラムではパワー値は減少するが同期化パターンは同様でありそのうちに娩出してしまうようである. 以上のように画像表示による子宮収縮パターンと臨床症状並びにその経過とが密接な関係にあることがわかった. しかし,従来陣痛の評価を行なう場合内測法によるそれが中心になっているが今回我々の開発した子宮表面電位からみた陣痛の評価に関しても同様に比較すると,10分間に起る子宮収縮を内圧曲線上よりモンテビデオ単位を求め分娩進行と相関をとっても,体表面電位よりそのパワー値の総和を求めそれと分娩進行との相関を求めてもほぼ同様の相関をみとめた. よって,腹壁から誘導した子宮表面電位は内圧とほぼ同程度の子宮収縮に対する評価が出来るものと確認した.
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