研究分担者 |
小椋 祐一郎 京都大学, 医学部, 助手 (70191963)
平田 昭 京都大学, 医学部, 助手 (10181158)
石郷岡 均 京都大学, 医学部, 助手 (80135590)
根木 昭 京都大学, 医学部, 講師 (00189359)
上野 聡樹 京都大学, 医学部, 講師 (20109010)
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研究概要 |
1.神経網膜下に水圧を使って網膜色素上皮との間に水胞状剥離を作り,その動態を観察した. 剥離の消長は,渦静脈の結紮によって著しく遅延し,強膜開窓により促進された. 今後,PVRの発生にかかわる剥離の長期化に対処すべく,治療法へ結び付けた. 2.先にPVRの発生に,網膜色素上皮とグリア細胞が関与することを,細胞骨格染色により明らかにしたが,更にグリア細胞の動態は網膜の症状により著しく変化することをつかんだ. 増殖組織のグリア成分の同定に,今年度から金コロイド法を導入した. 3.PVR組織は体外で培養されることによって,その性状がかなり変化することを確認した. 増殖の強いものは元来細胞成分に富むものであり,その弱いものは元々線維成分の多いものであることが明らかになった. 4.細胞遊走にかかわる因子を更に追求し,プロスタグランディン以外にもいくつかの誘導因子があることを明らかにした. 5.ミューラー細胞の網膜修復への動きは,クライオ,ジアテルミー,光凝固によるPVR誘発への関与が示唆された. 6.網膜変性を自然発生する頂天眼の研究では,組織学的変化とERGによる網膜機能の連動を調べると共に,細胞内メッセンジャーの量的追求を行い,予備的な知見を得た. 7.組織,組織化学的研究と臨床病歴の対比によるデーターの解析が試みられ,一定の成果が上ったが,臨床像からPVRの予後を断定するだけの根拠は得られなかった.
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