研究課題/領域番号 |
61440075
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本田 孔士 京都大学, 医学部, 教授 (90026930)
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研究分担者 |
石郷岡 均 京都大学, 医学部, 講師 (80135590)
河野 眞一郎 京都大学, 医学部, 講師 (30201445)
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キーワード | 増殖性硝子体網膜症(PVR) / 網膜色素上皮 / コラーゲン線維 / 温熱療法 / グリア細胞 |
研究概要 |
1.ヒト網膜色素上皮細胞の培養成功から、それを用いて安定した家兎のPVRの作成に成功した。その多数例の観察から、自然経過をグレーディングすることが出来て、各種治療の有効性の判定の基礎が築かれた。 2.上記の標本を用いて、放射線照射のPVR予防、治療効果を追求した。500〜1,000ラドの一回照射でPVRの発生及びそのグレードが抑制されることが明らかとなり、本法の臨床への応用が考えられることとなった。 3.上記のヒト網膜色素上皮細胞へのin vitroでの放射線照射が増殖を抑制することを同位元素を使った実験から確認し、in vitroでのPVR抑制が確かに放射線の治療効果であることを確認した。 4.加温して放射線照射する、いわゆる温熱療法によりPVRを効率よく治療しようという発想から、ヒト色素上皮網細胞の培養中に高温を負荷してみたが、加熱による細胞死が少ないことを知った。一方、高温の網膜に及ぼす影響について追求し、放射線との相乗作用により治療を考える基礎を作った。 5.ヒトPVRの手術摘出標本の組織学的検討から、増殖細胞の基底部に存在が認められるコラーゲンには、本来の硝子体由来の変型したものと増殖細胞が作ったものが混在することを明らかにした。その割合により病型に差があることも明らかになった。 6.臨床例の観察から、PVRが下方の網膜に初発することを統計的に示し、重力による細胞落下が発病の一因であることを明らかにした。 7.5ーFUの除放製剤を作り、その硝子体内注入により、PVRの発生が抑制されることを確認した。
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