研究課題/領域番号 |
61440075
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本田 孔士 京都大学, 医学部, 教授 (90026930)
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研究分担者 |
小椋 祐一郎 京都大学, 医学部, 助手 (70191963)
山川 良治 京都大学, 医学部, 講師 (40166591)
吉村 長久 京都大学, 医学部, 講師 (70211662)
石郷岡 均 京都大学, 医学部, 講師 (80135590)
河野 眞一郎 京都大学, 医学部, 講師 (30201445)
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キーワード | 増殖性硝子体網膜症(PVR) / 網膜色素上皮 / コラ-ゲン線維 / 温熱療法 / ラジオフリクエンシイ / 細胞内カルシウムイオン / アストログリア |
研究概要 |
1.ヒト網膜色素上皮由来の培養細胞などを用いた家兎のPVRモデルを使って、放射線と温熱療法の効果を多数例について追求した。その結果、両者とも著明にPVRの発生を抑制しかつ発達を阻害することが明らかになった。治療量として1,000センチグレイ、43℃が具体的に提示された。本治療の臨床応用へ道が築かれたが、今後、眼球に集中的に熱量を誘発するラジオフリクエンシイのアダプタ-の開発が必要であるとの認識で一致した。 2.5ーFU等の抗ガン剤の硝子体内への薬剤徐放システムを開発し、家兎のPVRモデルを使って有効性を確認した。我々の開発したシステムは著明にPVRの発生率を低下させ、又、PVRの発育を抑制した。一方この徐放システムを他の抗ガン剤にも拡大してその臨床応用の可能性を探った。 3.ヒトのPVRの摘出標本の組識化学的研究から、本症の発生にはコラ-ゲンなどの間質が強くかかわっていることを確認した。又、そのかかわり方は多様で、本来あるコラ-ゲンの他、増殖細胞が作るコラ-ゲンも本症の発生に関与することがコラ-ゲンのタイピングから明らかになった。 4.長期剥離網膜の組識化学的研究から、網膜のグリア系細胞の中、アストロサイトも本症の発生に関与することが明らかになった。このことは本症の治療に色素上皮の抑制のみでない多様な対応の必要性を示唆した。 5.培養網膜色素上皮細胞の細胞内カルシウム移動を追求し、細胞外からの増殖因子等がその動きに深く関与することが明らかになった。この方面から色素上皮細胞の移動、分裂の抑制対策がありうることが示唆された。 6.表面活性剤による増殖細胞の着床防止による本症の治療を追求したが、有効量では細胞毒性が強く、現状では臨床応用の可能性は小さいとの結論に至った。
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