研究課題/領域番号 |
61440080
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
青野 正男 九大, 歯学部, 教授 (70037498)
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研究分担者 |
鎮守 信弘 九州大学, 歯学部, 助手 (90163758)
広藤 卓雄 九州大学, 歯学部, 助手 (10189897)
相田 宜利 九州大学, 歯学部, 助手 (10127954)
原 宜興 九州大学, 歯学部附属病院, 講師 (60159100)
前田 勝正 九州大学, 歯学部, 助教授 (00117243)
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キーワード | 辺縁性歯周炎 / Bacteroides gingivalis / 血中抗体量 / Cell wall成分 / Outer membrane |
研究概要 |
辺縁性歯周炎の発症は局所に感染した細菌により発症することは従来より明らかにされているが、近年これらの細菌の内でも特にグラム陰性嫌気性桿菌が発症に密接に関与していることが示され種々の方面からの研究が行われている。 われわれは、歯周病患者の末梢血中の種々の細菌に対する抗体を歯周病患者の臨床症状と比較し測定したところ、歯周ポケットの深いほど又歯槽骨の吸収程度の強いものほどBacteroides gingivalis 381に対する抗体量が上昇していることが明らかとなった。しかしながら、一部の重症患者ではこのBacteroidesgingivalisに対して強い抗体反応を示さないものもあり、必ずしも一定の結果ではなかった。この点については種々の要因が考えられるが、今後検討する必要がある。一方、細菌成分を実験動物(ラット)に注入しその後に引き起こされる炎症反応の組織学的検策に依ると、Bacteroides gingivalis由来のoutermembrane画分に強い炎症誘起性がみとめられ、発症にこのouter membrane画分に含まれる物質が関与していると推定された。その後の解析では、cell wall画分に作用のあることが認められ、発症にはcell wall成分とouter membrane画分の成分が強い炎症反応を惹起するものと推定された。今後、患者血中抗体や歯肉局所の抗体の細菌成分に対する反応性の点から解析を行い、歯周病発症に関与する細菌成分の同定を行いたいと考えている。
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