研究課題/領域番号 |
61440083
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
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研究分担者 |
竹川 佳宏 徳島大学, 医療短期大学部, 教授 (40035754)
梁川 哲雄 徳島大学, 歯学部付属病院, 講師 (40136263)
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1989
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キーワード | 口腔癌 / 免疫応答 / killerリンパ球 / NK細胞 / LAK細胞 / 抹消リンパ球亜群 / 癌細胞表現形質 / 口腔癌治療 |
研究概要 |
1.口腔癌患者の末梢killerリンパ球の動態と病態予後とがよく関連していることを従来にも増して一層明確にした。即ち、術後経過良好な症例では末梢killerリンパ球絶対数が初診時と比較して有意に上昇するが、術後再発や遠隔転移きたした症例では末梢killerリンパ球数の上昇を認めなかった。このkillerリンパ球は繊毛様突起を持った小・中型リンパ球でCD3^+4^-8^-の表現形質を保有していることは示唆する実験結果を得た。2.頭頚部癌患者(n=45)と対照健常人(n=25)の末梢リンパ球について単クロ-ン抗体Leuー7、Lenー11a,OKM1による解析を行った。その結果、患者においてLeu-7^+細胞%(P<0.001)及びLeu-11a^+細胞%(P<0.000001)とも対照健常人より有意に高値を示した。一方、NK活性は対照健常人に比較して患者群(P<0.0001)では有意に低下していた。また、患者群をリンパ節転移の有(n=23)無(n=22)でLeu-7/Leu-11aの比の値を比較すると、転移群が非転移群より有意に高値を示した(P<0.01)。なお対照健常人ではLeuー11a^+とM1^+細胞とが有意な相関(P<0.05)を示したが、患者ではLeuー7^+とLeuー11a^+細胞(P<0.01)、Leuー7^+とM1^-細胞(P<0.05)に相関がみられた。以上のことから患者におけるNK細胞亜群の異常とその成熟障害が強く示唆された。3患者(n=31)の末梢血中のIgA型免疫複合体(IgA型CIC)は対照健常人(n=21)と比較して有意に高値を示し、また病態・予後と関連していることを明らかにした。4.ヒト唾液腺癌細胞の表現形質を解析し、またこの癌細胞に特異的な単クロ-ン抗体を産生し、その抗体とkillerリンパ球を用いたantibody-dependent cell-mediated cytotoxicity(ADCC)のシステムをin vitoとヌ-ドマウスを用いた実験系として確立した。更に、このADCCモデルは抗腫瘍に働くADCC反応系の諸因子の特性の解析と、BRM、抗癌剤、放射線の影響を検討するために有用であることを明らかにした。
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