研究分担者 |
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
南雲 秀次郎 東京大学, 農学部, 教授 (30023401)
福島 康記 東京大学, 農学部, 教授 (70003746)
南方 康 東京大学, 農学部, 教授 (00011841)
濱谷 稔夫 東京大学, 農学部, 教授 (10011933)
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研究概要 |
62年度に行った項目別の研究経過, 知見, 成果は次の通りである. 1.天然林における種特性と森林成立過程の解明. シラカンバ,ウダイカンバ及びダケカンバの単葉の透過光量子量について調査・解析を行った. また, 天然林・人工播種実施地において, エゾマツ, トドマツ, ダケハンバの稚苗混生と生存率の関係を種間関係の立場から調査・解析した. 2.施業計画策定手法のシステム化. これまで展開してきた林分施業法の中で, 保存を図ってきた優良広葉樹の保全管理(保存・更新)と有効利用(収穫)についての総合的な施業法の検討に着手した. 3.林産物付加価値形成の解析. 林産物, 特に広葉樹優良形質木の適切なる付加価値形成を系統的に把握する方法の試案として, ウダイカンバ立木の部位別の用途・価値構造図を作成した. 4.路綱設定と最適集材法についての究明. 70年生ヨーロッパトウヒ人工林において, 道路上よりの集材距離・径級別の集材工程の分析を行った. 5.優良遺伝資源の保全と増殖技術の開発. ミズナラ優良形質木の採種母樹を選定して, その堅果を採取し次代の更新試験地を設定した. 6.更新稚幼樹の林地着床成否に関与する菌類の究明. 前年のエゾマツの外生菌根菌2種に加え, アカエゾマツより新たにPiloderma SP菌を究明した. 7.伐採前後の森林害虫と捕食動物の動態に関する研究. エゾマツ林におけるフェロモントラップ試験の結果, ヤツバキクイムシは伐採林分では春から夏にかけて著しく増加したが, 伐採をしていない林分ではそれが低下した. またストローブマツ林のマツカレハ幼虫の死亡要因の調査・究明を行った. 他の項目についても分担課題計画に基づき調査・研究を行った. 次年度は3ヵ年の各成果を踏えて林分施業法の総合的なシステム化を図る.
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