研究概要 |
本年度は、「教育を仕事の一種とみなすことにより、学業における自立性への機会が増大するほど、生徒の知的能力、一般自立性、精神的な安定性などの知的柔軟性が増大し、同時に、知的柔軟性の高い生徒は、教育における自立性を高める。」という仮説を検証するための、インテンシブな調査を実施した。」調査票については、(1)教育における自立性の概念を代表するものとして、学業の「実質的な複雑性」,「管理の厳格性」,および「単調性」などの概念を測定する項目と、(2)対象者である生徒自身の価値観、自己概念、および、社会へのオリエンテーションなど、生徒の心理的諸機能を測定するためのパーソナリティ・インベントリーを設定し、これらの交互作用モデルを検証する分析が可能になるように設計した。 調査票の作成と並行して、サンプリング作業をすすめた。東京都、神奈川県,千葉県,埼玉県,群馬県,栃木県,茨城県の1都6県において、13才から25才までという条件のもとに、67地点、男性91サンプル、女性83サンプルを、対象者として抽出した。 11月上旬より面接調査を開始した。なお、面接調査に先だち、調査員へのインストラクションのために、原純輔氏(横浜国立大学教育学部助教授)他5名より、専門的、技術的知識の提供を受けた。 3月25日現在、調査の有効回答数は87であり、標本精度を保つためにも、100程度の有効回答を得ることを目標に、来年度においても面接調査を継続する予定である。 すでに、調査を終了した調査票をもとに、来年度早々より、コーディング作業を開始する予定である。
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