研究課題/領域番号 |
61450031
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
菅沼 正久 長野大, 産業社会学部, 教授 (10097462)
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研究分担者 |
高橋 満 長野大学, 産業社会学部, 専任講師 (70171527)
安井 幸次 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (10133472)
山崎 匡毅 長野大学, 産業社会学部, 教授 (60096732)
天野 勝行 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (10090672)
野原 建一 長野大学, 産業社会学部, 教授 (10097470)
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キーワード | 地方都市 / テクノポリス / 産業構造 / 住民組織 |
研究概要 |
地方都市の存立構造の要因として、地域産業構造の動向・地域生活問題と住民組織・自治体の行政政策の展開の3つを設定し、それら相互の連関を考慮しながら研究を進めてきたが、その過程で次の諸点が明らかとなった。 1.上田市の産業構造の中心的な位置を占める製造業と卸小売業の2つの部門が、前者は「円高不況」によって、後者は消費者の域外流出によって、ともに落ち込みが顕著になっている。全国的な経済動向とその地域社会での発現形態との関連での分析とともに、いわば自生的に形成されてきた産業構造の再編成の動向を見定めることが重要になっている。 2.住民組織の状況は、個別の利害・関心にもとづく活動が多様に展開されており、また、「地域づくり」をテーマとした共同の取り組みも行なわれている。ただし、それは散発的で一過性的な性格をもち持続性を欠いている。都市化と人口増に伴う共同生活諸条件の悪化は進行しており、これらを契機とした住民組織の協働化の方向と、逆にその阻害要因の分析が必要である。 3.自治体の政策的対応は、「テクノポリス構想」の推進による、製造業部門の先端技術化をテコとした地域経済の活性化をめざすことを基本としていたが、先の経済不況との関連で新たな対応をせまられている。また、民間委託を中心とした行政改革も推進されており、住民生活をめぐる問題も生みだされている。この点で、行政ー自治会役員ー議員という政策決定過程を支えてきた政治的な社会関係の解明が課題となる。 各領域での実証研究を総括しつつ、地方都市の存立構造の特質を剔出していくことが今後の課題である。
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