研究概要 |
1.LACEに所属する、LONDON大学のR.COWENの"比較教育研究における時間論"の内容を批判的に検討し、その方法の有効性と限界を明らかにした。その立場から、N.HANSの"歴史的アプローチ"における"時間"の観念を再検討し、比較社会学の時間論の成果に学びつつ、ロンドン比較教育者協会の理論的作業を全体として規定していない時間のパラダイム"を解析する仕事を一部進めた。 この研究成果は、1987年第6回世界比較教育学会第五委員会(於・ブラジル)において発表する。 2.LACEの中心的指導者B.Holmes博士の"Problem-Approoch"の理論構造を弁証法との関連において再吟味し、それが近代的ヨーロッパ的時間観念と如何なる関連を持つかを将来検討するための基礎作業とした。1983年以来継続してきたこの成果は、一部を早稲田大学文学研究科紀要に発表した。 3.発展途上国における教育政策課題と比較教育の理論的な関わり方を素材として、そこに機能している"時間"の観念が、パラダイムとしてどのような構造を持つか、比較社会学,比較思想,比較認知論の手法を用いて分析し、LACEに特徴的な"時間"のパラダイム"と対照してみたい。スペイン語圏およびアジア地域(フィリッピンを予定)を特定して、この研究を促進する予定である。
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