研究概要 |
本研究は, 日本考古学・古代史用語を数種の外国語に翻訳し, 外国人研究者が日本考古学を理解する手懸りとし, かつ日本の考古学研究者が報告書や論文を外国語で書く際の目安となるような「対訳集」を作製し, データベース化することを主たる目的とした. そのため, まず61年度には用語の蒐集および英訳を行ない, パーソナルコンピューターにデータとして蓄積していった. 英訳については, 従来行なわれてきたものを参照しつつそれらを発展的に改良したりまた独自に考案し, 英米の考古学研究者に校閲を受けた. 62年度には, 蒐集した用語を項目別に分類, 整理し, 不足の用語を増補した. その過程で, 外国人研究者には判り難い, 日本考古学における「時代」認識に関して, 項目毎に若干の解説を付し, 我が国独自の遺物・遺構については図示することとし, 辞典・概説書から注出した. 「日本考古学用語英訳集」をDictionary of Japanese Archaeologyと題して印刷・製本した. 収録した用語約2400語, A4版本文132頁, 索引(ローマ字表記のABC順)22頁である. 今後これを各地の研究者・機関に送付し, 批判・助言を受けた上で, 「稿本」から「定本」へ発展させることが必要である. 尚, 蒐集した用語はパーソナルコンピューターによってデータベース化してあり, 奈良国立文化財研究所の管理下に入れる予定である.
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