研究課題/領域番号 |
61450058
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 哲見 東北大, 文学部, 教授 (70005734)
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研究分担者 |
浅見 洋二 東北大学, 文学部, 助手 (70184158)
熊本 崇 東北大学, 文学部, 助手 (00153354)
川合 康三 東北大学, 文学部, 助教授 (40108965)
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キーワード | 文人 / 文人の理念 / 文人の実態 / 宋代文学 / 宋代の詩 / 宋代の詞 / 宋代の詩論 / 宋代の芸術 |
研究概要 |
(1)資料の整備;課題に関する資料を、予算の範囲内で効率よく購入することに努め、相当に整備することができた。今後さらに充実をはかりたい。 (2)資料の整理;関係資料より課題に即した記事をカードに抽出し、分類整理する作業をすすめた。相当量の有用なカードを蓄積したが、これも今後さらに充実をはかりたい。 (3)資料の分析・解明;重要な文献の読解を基礎として、課題に即した考察を加え、その結果の一部はすでに論文として公表した。 (4)他機関との協力;京都大学人文科学研究所の「文人の生活」研究班(班長、荒井健教授)の研究会に参加し、共同の文献解読,共通の問題に関する情報交換を行い、相当の成果を得た。 (5)特記すべき成果; a)ケース・スタディとして、宋代の代表的文人のひとりである呉文英について、その生涯と文学作品との関係、文学史上の位置づけ、その人物の人間類型としての特色などを考究し、論文「呉文英(夢窓)とその詞」を発表した。宋代文人の実態の解明に資するところ少なからざるものがあることを信ずる。 6)資料探究の成果として、無窮会図書館において「諸家集註唐詩三体家法」の江戸刊本を発見した。これは宋代に作られた唐詩の選本「三体詩」のテクストの一種で、宋代の詩論研究の重要な資料である。従来はこの通称「集註本」は、いわゆる「増註本」の流行に圧倒されて、室町時代を過ぎると失われたと考えられていたが、この本の出現により、この通説は再検討を要することになった。
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