研究概要 |
1.Wulfstanが書き直したAelfricのDe Falsis Dies(sic),De Septiformi SpirituおよびWulfstan宛の司牧者書簡の異写本毎のテキストを原写本をもとに確定し、コンピュータ入力を完了した。さらにデーン法地区の古英語後期における語量の特徴解明のための研究基礎資料となるAelfric-Wulfstanの語暈の対照の作成に入ったが、これについては第1段階であるWulfstan語暈索引の作成を完了した。昭和61年12月7日中京大学で開催された日本中世英語英文学会第2回大会のシンポジウム『デーンローと古英語』(司会 久保内端郎)において発表した久保内端郎「Wulfstanの作品の成立年代とデーンロー」,山縣宏光「AElfricとWulfstan-その語暈の比較」はこの部門の研究成果の一部である。 2.聖者伝GuthlacについてはBL所蔵写本Cotton Vespasian D.xxiから新たに起こしたテキストをGoodwin,Gonser等の版と比較して確定し、コンピュータ入力を完了した。なおワードインデックス,コンコーダンスは現在暫定的なものに留まり、東京大学大型計算機センターのプリンター用特殊文字フォントの完成とまって本格的に取りかかる予定である。 3.Richard Rolleの作品についてはLongleat写本に基づいたS.Ogilvie-Thomson編のEETS版テキストを原写本と照合の上コンピュータに入力した。詩篇訳についてもH.R.Bramley版(1884)に基づくテキストのコンピュータ入力は完了した。
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