研究概要 |
本年度は、本研究の基礎づくりの年として、ソ連の公式統計のデータバンクを作成した。このデータバンクは次のような構成をとっている。1.ソ連経済の基本データ1656項目について、1940年から1985年までの年次データ。2.その部門構成は、(1)国民所得,(2)工業・農業・運輸などの産業別統計,(3)投資・建設・資本ストック,(4)人口,労働,賃金,(5)国民生活,(6)財政,(7)貿易の七部門で構成されている。 このデータベースは、現在のところ北大内部でしか利用できないが、この四月からは、全国いずれの国立大学からも利用できるようにシステムを設計している。 このデータベースを作成したことにより、1.ソ連の主要な統計データについて、必要なとき直ちに時系別データをとり出すことができる。2.このデータベースには、相関分析を可能にするソフトが組込まれているので、主要時系列間で多重相関分析を行うことが可能である。3.今後研究者間でこのデータベースを共同利用することにより、わが国のソ連経済の実証分析の発展に一定の貢献が期待される。 今後の作業としては、このデーターの保守・追加を行うこと,新しい統計項目データを追加し、カバー領域を広げること,西側の信頼できるデータを取入れることなどが残されている。 それと同時に、このデータベースを利用し、ソ連の計量政策モデルを作成することが来年以降の主要作業となる。これができ上れば、ソ連の経済政策の実現可能性と政策的整合性を数量的に分析可能となり、わが国のソ連経済の現状分析を飛躍的に高めることができよう。
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