研究分担者 |
嶺野 幸子 北海道大学, 経済学部, 助手 (30001837)
田畑 伸一郎 北海道大学, スラブ研究センター, 助教授 (10183071)
是永 純弘 北海道大学, 経済学部, 教授 (20001787)
KORENAGA Sumihiro Fac. of Economics, Hokkaido Univ. (Yoshihara,Te)
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研究概要 |
この研究成果は大きく分けて, (1)1700項目以上, 30年以上にわたる期間のソ連の統計データを大型コンピューターに収納し, これを全国の研究者の利用に供したこと, (2)それをベースにして, ソ連の経済政策の整合性とその方向性を予測する手段としての統計データの限界と可能性を追求し, かつその信頼性を考慮しつつ, 1970年から86年にいたる経済政策の重点を統計的に分析出来た事である. 周知のように, ゴルバチョフ政権のグラースノスチ(情報公開)政策は, ソ連統計にも一定の好ましい影響を与えつつあるが, それはまだむしろ部分的で, それ以上に改革の混乱の方が強く, われわれの苦心して収納したデータも部分的な手直しを迫られる状態であり, かつその信頼性の検討や新しく公開されたデータの追加など, データバンク本来の機能を十分に発揮させるには, まだ多くのなすべきことが残っている. しかし現在のままでも特に次の点で, 「データ」利用の大きなメリットが存在する. (1)公表された範囲とはいえ長期時系列を簡単に呼び出すことが出来る. これはソ連データが断続時系列でしか『統計年鑑』で発表されない不便さを補ふ大きなメリットである. (2)グラフ機能を備えているため長期観察や大量観察が簡単に出来, 政策トレンドのイメージを描く事が容易になった. (3)多重相関分析機能をもっているので, 政策の因果関係を分析するのに便利である. 今後改良すべき点としては, ソ連データを(一定のルールで)使い勝手をよくするよう加工し, データの欠落やデータ間の非整合性を補填すること, 項目のグルーピングを自由に変更して呼び出しうるソーティング機能を付加すること, グラフに対数表示を導入すること, などである. 一見細かなことであっても, それを集約すると大きな事実認識に導くような多数のファクツが別途の『研究成果の報告』冊子には盛り込まれている.
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