研究概要 |
3年次計画の第2年次としての研究実績は以下のとおりである. 1.マルチチャンネルワイアレス録音システムの開発と試行 学習中の学習者の音声情報を,リアルタイムで同時に,ワイアレスで最大20人分,最長60分間の録音をすることができるシステムを開発し,家庭科の調理実習において,授業者1,学習者19の音声情報録音の試行を実施した. 本システムにおいては,40M・Hz帯90波,200MHz帯11波の計20波のワイアレス録音が可能であり,マルチトラックレコーダ5台により,Cー120(片面60分)のコンパクトカセットテープに4人ずつ録音することが可能である. これら5台のレコーダはリモートコントローラにより操行が連動できる. また録音された20チャンネルの音声情報から任意のチャンネルをとり出し,編集することが可能である. 試行の結果,マイク及び送信機を装着したことによる学習者への心理的影響はほとんどないことが,調査の結果から判明した. 2.中学校家庭科の「栄養・献立」授業における学習者の学習過程の分析 家庭科食物領域の栄養・献立に関する学習活動における学習過程を明らかには,適切な評価方法を開発するために,授業の記録をとり, 分析を行った. 授業の記録には1のシステムを用い,その音声情報よりプロトコールを作成した. 言語分析のカテゴリーは,従来の研究では授業者と学習者間の相互作用を分析するきためのものが多いが,学習者間の相互作用のカテゴリー分類に関する先行研究は少ない. 本研究はその点に着目し,評価に結びつくように配慮した. 作成したカテゴリーを用いて学習行動の分析を行った結果,さらに改善する必要のあることが判明した.
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