研究課題/領域番号 |
61450092
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
足利 健亮 京大, 教養部, 助教授 (90026823)
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研究分担者 |
藤井 正 京都大学, 教養部, 助手 (20165335)
金田 章裕 追手門学院大学, 文学部, 助教授 (60093233)
青木 伸好 京都大, 教養部, 助教授 (30067631)
浮田 典良 京都大学, 教養部, 教授 (60026721)
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キーワード | 条里地割 / 施工単位 / 方位 / 方格網 / 小条里地割区 / 立体地図化 / 施工基準 / 認識 / ずれ |
研究概要 |
本年度は、滋賀県・京都府・大阪府・香川県・群馬県等の各平野部の条里地割分布地の大縮尺図ならびにそれらの一部地区の空中写真を入手し、また研究代表者および研究分担者がそれぞれ東京都・神奈川県・香川県・愛知県・奈良県・京都府の各地に出張して現地資料を収集し、同時に現地調査を行った。 一方、これらの大縮尺図・空中写真入手地域および現地調査実施地域については、既往の条里地割に関する研究・データの整理をも進めた。 入手した大縮尺図や空中写真によって条里地割を詳細に検討した結果、方位や方格網のずれなどによる様々な齟齬を介在した小条里地割区とでも表現し得る単位が、従来指摘されていた以上に広い範囲に分布することが確認された。また、それを統一的・計量的に把握する方法としては、大縮尺図上において条里地割の方格網のサイズを一つ一つ計測し、その数置を電算機に打ち込み、立体地図作成プログラムによって立体地図化するのが有効であることが判明した。本年度はまず、滋賀県湖東平野の主要地域について、条里地割の形態・サイズの立体地図を作成したが、次年度においては、事例をさらに増加させる予定である。 条里地割の方位やその基準などについては、京都府亀岡盆地・大阪村和泉地方・香川県などにおいて,分析作業・現地調査を進めたが、これについては次年度にさらに継続して行なう必要がある。 ところで、現在の地表にみられる条里地割は、必ずしも古代(あるいは中世)の施工時点のものではなく、様々の改変を経ていると考えられるが、そのプロセスにおいては、中・近世における条理地割の認識が重要な関与をしたとみられる。この点についても事例分析を進め、本報告書11欄記載欄の論文としてその成果を発表した。
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