研究課題/領域番号 |
61460001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
服部 晶夫 東大, 理学部, 教授 (80011469)
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研究分担者 |
古田 幹雄 東京大学, 理学部, 助手 (50181459)
上 正明 東京大学, 理学部, 助手 (80134443)
松本 幸夫 東京大学, 理学部, 助教授 (20011637)
落合 卓四郎 東京大学, 理学部, 助教授 (90028241)
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キーワード | シンプレクティック多様体 / 慣性写像 / 群作用 / 不動点 / スピン構造 / スカラー曲率 / 自己双対接続 / モジュライ空間 |
研究概要 |
本年度の研究実施計画につき、新しく得られた主要な結果は次の通りである。 1.シンプレクティック多様体上の【S^1】作用が慣性写像をもつとき、シンプレクティック形式が複素直線束を定義するならば、各不動点においてその直線束の定める指標と、慣性写像のその点での値が本質的に一致することが証明された(服部)。これは、例えば、孤立不動点のみをもつシンプレクティック【S^1】多様体の研究に重要な手がかりとなると思われる。今後の目標の一つは、慣性写像に対応する安定、非安定多様体の特異点の研究が重要なステップになると予想される。 2.コンパクト多様体Mがスピン構造をもち、基本群はアメナブルでないとする。もし、Mが至る所零となるスカラー曲率のリーマン計量を許すならば、Mの【A!^】種数は消えることが証明された(服部の学生小野による)。 3.自己双対接続のモジュライ空間の研究では次のような進展があった。 1)モジュライ空間には共形変換により不変な計量がはいると予想されているが、松本は構造群がSV(2)のときその証明に成功した、一般の群の場合には問題は未解決である。 2)【S^4】上の自己双対接続のモジュライ空間への群作用の不動点の状況が古田により精密に調べられた。特に、群が【S^1】×【S^1】のときの結果を用いると、インスタントン数lのモジュライ空間のオイラー数はlの正の約数の個数に等しいことが導かれる。また、群が有限巡回群の場合の結果と、特異点をもつ多様体上の自己双対接続のモジュライ空間の構造に関する研究に基いて、mod2ホモロジー球面のホモロジーコボルディズム群が多くの独立な生成元をもつことが明きらかになつた。
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