研究課題/領域番号 |
61460003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田辺 広城 阪大, 理学部, 教授 (70028083)
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研究分担者 |
小松 玄 大阪大学, 理学部, 助教授 (60108446)
中尾 慎太郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (90030783)
池田 信行 大阪大学, 理学部, 教授 (00028078)
渡辺 毅 大阪大学, 理学部, 教授 (50028081)
井川 満 大阪大学, 理学部, 教授 (80028191)
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キーワード | ヴォルテラ型積分微分方程式 / 初期境界値問題 / 基本解 / 比重付楕円型評価 / 漸近行動 / 漸近展開 / 放物型方程式 / 解の減衰 |
研究概要 |
1.時間変数に関して高階のヴォルテラ型放物型積分微分方程式に関して、境界条件が時間変数に無関係で時間変数に関する微分を含まない場合に、アグモン・ニーレンバーグによる比重付楕円型評価を用いて基本解を構成し、【L^P】空間の中で初期境界値問題を解くことが出来た。そのために先ず積分項を含まない場合の放物型方程式の基本解を構成して解を表示する公式を求め、解の一意性を示し、次いで積分項を攝動項と見てヴォルテラ型方程式の基本解を構成し、解の一意性と表示を得た。 2.時間変数に関して一階の放物型方程式の解の無限未来での漸近行動に関して従来知られていたことが【L^1】空間の中でも成立することがわかった。解の収束については楕円型境界値問題のアプリオリ評価とソボレフの埋藏定理を用いて基本解の積分核を評価して所要の結果を得た。漸近展開についても楕円型境界値問題を逐次解いて解を表示する作用素の積分核の評価を用いて所要の結果を得た。 3.ヘルダー連続関数から成る関数空間の中での放物型方程式を発展方程式の理論を用いて解くために、係数をなす作用素が生成する半群が解析的とは限らず、又定義域が稠密でない場合に基本解を構成し、解の存在と微分可能性について満足すべき結果を得た。生成作用素の定義域が稠密でないことによる初期条件の意味について特に工夫を要した。4.幾つかの凸な物体の外での波動の減衰についても満足すべき結果を得た。今後も上記の研究を引き続き行なう計画である。特にヴォルテラ型方程式に関しては境界條件が時間変数に関係する場合を探研する。 以上の研究を行なうに際して補助金ビ購入した文献は大いに役に立った、又研究集会で他大学研究者との交流は大変参考になった。
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