昭和61年度の本件科研費が10月になり補欠承認されたため、当初の計画を全て実行することに至っていないが、いくつかの予備実験を行い予想以上の成果を挙げることができた。 1.RCA社製CCD用のドライバー回路、clock controllev、interface、analog系の設計を行った。続いて製作を開始したがRCA社がCCDの生産から撤退したため、発展性を考え他のCCDに切り換えることとした。 2.CCDの技術調査の結果、市販品では日本TI及び三洋電気のものがX線用検出器として優れていることを見出した。予備実験として三洋CCDを用いて軟X線の画像検出実験を行った。なお、X線発生器は、宇宙科学研究所で共同利用に供されているものを用いた。その結果、2【P-(Ce)】【V】付近において鮮明なX線画像の取得に成功した。我国においてX線によるCCD画像が得られたのは初めてのことである。 3.一方、気球塔載用の太陽輝度測定望遠鏡の開発の一環として、新規購入のマイクロプレセッサを用い、現有の望遠鏡及びCCDより得られた太陽振動の検出、黒点における輝度の振動の検出を試み、太陽面の静かな領域については周期5分の振動を、黒点については3分等の振動を検出することに成功した。その一部の成果は天文学会欧文報告誌に発表された。 次年度は、X線検出実験を製作したCCDについて行い、諸特性を求めると共に、この結果を進行中のSolarA軟X線望遠鏡の設計に反映させる。また可視点による輝度望遠鏡の基礎実験を太陽黒点の振動検出により行う矛定であある。
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