研究概要 |
1.銀河・銀河系の大局磁場構造 系外銀河の直線編光電波の観測・解析により,渦状銀河の磁力線構造が大局的には,銀河間空間から入って来て,他の縁から再び銀河外に出てゆくような渦状の巻き方をしていることが,ほぼ確定的となった. 従来リング状と考えられていたアンド〓メダ星雲にもやはり渦状磁場が存在することが示された. この事実から,渦状銀河の磁場の成因について,原初起元説,すなわち,銀河磁場は銀河間磁場(宇宙磁場)を原始銀河が巻きこんで増巾;ある進化段階で定常となり,以後ダイナモ作用によって一定の渦状磁場構造が維持される,とする説が支持されるようになった. 2.銀河の垂直磁場 上記の原初起元説に立っと,当初銀河面に垂直に走っていた磁力線成分は,銀河の進化にともなって必然的に銀河中心部へとはき集められ,中心核付近の強力な垂直磁場が発生することが,推論的に示された. この,測を証拠づれるために,系外銀河中心部に垂直構造を見出す試みがされ,実際NGC253およびNGC7331について,磁場によると思しきダストの垂直レーン(すじ)が多数発された. また垂直磁場に銀河回転によって鋭いジェットが発生することが知られているが,この事実を銀河系の中心部の電波観測および既存の電波サーベイデータの解析によって確かめた.
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