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1986 年度 実績報告書

短寿命核のオンライン質量分離によるβ⌒崩壊強度の精密測定

研究課題

研究課題/領域番号 61460012
研究機関東北大学

研究代表者

藤岡 学  東北大, 国立大学(その他), 教授 (70016111)

研究分担者 永井 泰樹  東京工業大学, 理学部応用物理学科, 助教授 (80028240)
篠塚 勉  東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (10134066)
キーワード短寿命核 / 不安定核 / オンライン質量分離 / 【β^+】崩壊強度 / 極低バックグラウンド / 陽電子ゲート / Ba【F_2】検出器 / ガンマ線検出器
研究概要

本研究は、極低バックグランドのガンマ線検出器系を開発・製作し、それを用いて短寿命・不安定原子核のβ崩壊の微弱な分岐を精密測定しようとするものであり、初年度ではその装置の設計・製作及び性能のテスト実験を行なった。本装置では、【β^+】崩壊で発生する陽電子の対消滅ガンマ線(2個の511keVガンマ線)でゲートすることによりバックグランドを大巾に抑制するものである。当初このガンマ線の検出にはNaI(Tl)結晶を用いる予定であったが、検討の結果、Ba【F_2】結晶の方が良い結果が期待されることが判明したので、予定を変更し、我々は「Ba【F_2】を用いた陽電子ゲートによる極低バックグラウンド・ガンマ線検出器」を設計・製作した。Ba【F_2】結晶は大型のものを入手するのは困難であるが、業者との共同の設計・開発により、予定より時間がかかったが、無事48【cm^2】×31cmなる大型結晶からなるBa【F_2】シンチレーション検出器8体からなるBa【F_2】検出器を製作することができた。このように大型のBa【F_2】結晶は世界でもまれと思われる。しかも、Ba【F_2】に含有される自然放射能【^(226)Ra】によるバックグラウンドとして0.053カウント/S/【cm^3】を得たが、これは結晶の高品質を示している。
上記Ba【F_2】シンチレーション検出器に、プラスチック【β^+】検出器、Ge(HP)ガンマ線検出器及びエレクトロニクスを組合せて検出器全体を組立て、標準線源(【^(22)Na】ほか)を用いて性能テストを行なったところ、通常のGe(HP)のみによる測定と比べて、バックグラウンドを実に、1万分の1に抑制することができ、予想どおりの高性能が実証された。
ただし、検出効率が予想値〜30%に比べて〜10%と約1/3であったのは問題で、今後の検討の必要があり、又、オンライン実験のための特殊チェンバーの製作が残されているが、これらの完成後、本格的なオンライン実験に進む予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 田口和博: 修士論文(東北大学大学院理学研究科原子核理学専攻). (1987)

  • [文献書誌] M.Fujioka;T.Shinozuka;Y.Nagai;K.Taguchi: Nuclear Instruments and Methrods.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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