研究概要 |
開発システムの構成は次のようなものになった。まず強力な窒素分子がスレーザー(光源,Laser Science社337nm,40kw,3ns巾)を70段階に減光調節し、これをプラスチックシンチレータに照射することにより現実の宇宙線空気シャワーによるものと同一の波型の閃光を得た。この閃光は35本の光ファイバに分配され遠方の検出器内へ導き軟正用閃光として用いるようにした。 1.レーザー光量の調節方式。20mmφのNutral Densityフィルター(減光比1〜【10^(-7)】,8段階)の窓を持ったターレット板をパルスモーターで駆動する方式を採用した。さらにもう一段同じく減光比1〜0.1(10段階)のターレット板を組合せた。パルスモーターはプログラム方式による自動または手動で窓中心を操り出していくことを可能にした。 2.シンチレーション光。光量調節されたレーザーパルス光は実際に使用しているプラスチックシンチレータの小片に当て、閃光を発光させ次に記す光分配器にライトガイドによって集光した。 3.光分配器(ST-200 D/35)。大口径光ファイバー(コア径200μm)35本の受光端を1.3mmの径に束ね、バンドル用コネクターに埋め込む方式を採用した。この方法は狭い受光端に一様にシンチレータの閃光を照射することを可能にした。AS-s1による光量測定の結果±23%以内の受光量のばらつきであることがわかった。大口径光ファイバーの他端は50cmの長さにあり、各々プラグが取り付けてある。 4.光伝送ケーブル。各空気シャワー検出器へ較正光を送る光ケーブルは大口径ST200Dとし、その減衰率をAS-s1にて測定した結果50mで約50%に減光することがわかった。 以上により本年度の装置開発は終了した。次年度は本装置により検出器群の較正のための実用段階に入る。
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