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1986 年度 実績報告書

フラストレーションを伴う化合物磁性体のスピン・ダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 61460027
研究機関千葉大学

研究代表者

山田 勲  千葉大, 理学部, 教授 (90037820)

研究分担者 伊藤 正行  千葉大学, 理学部, 助手 (90176363)
夏目 雄平  千葉大学, 理学部, 助教授 (80114312)
キーワードフラストレーション / 三角格子反強磁性体 / 強磁性-反強磁性競合系
研究概要

磁気的なフラストレーションを伴う典型的な物質として、2次元三角格子反強磁性体NaTi【O_2】,LiNi【O_2】及び2次元強磁性-反強磁性競合系【K_2】【Cu_X】【Mn_(1-X)】【F_4】と【K_2】【Cu_x】【Co_(1-X)】【F_4】をえらび、研究を行っている。NaTi【O_2】はスピンS=1/2のハイゼンベルグ型,LiNi【O_2】はS=1/2のイジング型交換相互作用を持っているので、どちらも量子効果が期待される。一方上記強磁性-反強磁性競合系は、まず【K_2】【Cu_X】【Mn_(1-X)】【F_4】がハイゼンベルグ型であり、【K_2】【Cu_X】【Co_(1-X)】【F_4】がハイゼンベルグ-イジング型の混晶である。後者では【Cu^(2+)】,【Co^(2+)】ともにS=1/2であるため、量子系とみなしてよい。NaTi【O_2】及びLiNi【O_2】については、すでに明らかになっている帯磁率,比熱,中性子回折等の結果をふまえて、電子スピン共鳴,核磁気共鳴の実験を行った。その結果、四角格子反強性体には見られないような緩和現象を観測した。それらに対する理論的解釈はこれから行なわなければならない。
一方、混晶系【K_2】【Cu_X】【Mn_(1-X)】【F_4】及び【K_2】【Cu_X】【Co_(1-X)】【F_4】に対して、帯磁率、非線形帯磁率及び磁化等の測定を行った。動的性質を調べる前に静的性質を明らかにしておく必要があるからである。【K_2】【Cu_X】【Mn_(1-X)】【F_4】では【Cu^(2+)】濃度が高い領域で強磁性を示すが、そこでもすでに非線形帯磁率が観測された。さらに【K_2】【Cu_X】【Co_(1-X)】【F_4】では中間濃度領域でLong Range Orderを示さない。この事実はS=1/2の量子効果と考えられる。これら混晶系に対する電子スピン共鳴及び核磁気共鳴の実験はまだ終ってないが、予備的実験から、両者ともC-面内に異方性を生じることを確認した。この事実は緩和現象をはじめとするスピンダイナミックスを考える上で重要な要素になると思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山田勲: 日本物理学会誌. 41. 1017-1020 (1986)

  • [文献書誌] Isao YAMADA: Journal of Physics(C). (1987)

  • [文献書誌] Toshihiko SUZUKI: Journal of the Physical Society of Japan. 56. (1987)

  • [文献書誌] Isao YAMADA: Journal of the Physical Society of Japan. 55. 3689-3690 (1986)

  • [文献書誌] Masayuki ITOH: Journal of the Physical Society of Japan. 55. 2125-2128 (1986)

  • [文献書誌] Yuhei NATSUME: Physical Review Letters. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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