研究課題/領域番号 |
61460045
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前 晋爾 北海道大学, 工学部, 教授 (80022672)
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研究分担者 |
後藤 明 北海道大学, 工学部, 助手 (20205587)
東 信彦 北海道大学, 工学部, 助手 (70182996)
本堂 武夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (60109494)
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キーワード | 氷結晶 / 氷床コア / 空気包接化合物 / Air-hydrate / 高エネルギーX線構造解析 / 結晶成長 / 高静水圧 / 空気含有量 |
研究概要 |
本年度は本研究の最終年度にあたる。初年度と二年度の研究の結果、高圧下の氷床氷の流動特性に空気包接化合物(Air-hydrate)が大きな効果を及ぼす可能性が大なることが予想されるに至った。従って、今年度ではAir-hydrateの構造分析、人工的なAir-hydrate結晶の氷結晶中での育成、さらに空気胞を含む氷のマイクロ波誘電特性の研究を行った。これらの研究の成果を下に示す。 1.Air-hydrateの構造分析 氷結晶のAir-hydrate単結晶を高エネルギーX線を使って構造解析を行った。その結果、空気分子O_2やN_2はかごの構造がStruetureII型に属するかごのなかに位置する。かごは2種類あり、大きいかごでは分子の占有位置は4ケ所、小さいかごではは1ケ所であること、占有率が80%であることがわかった。 2.Air-hydrateの形成 主として南極氷床コアを用いて、Air-hydrateの氷結晶中での結晶成長実験を行った。その結果、温度が融点に近いほど、Air-hydrateの結晶成長速度は大きい。静水圧が高くなるほど、Air-hydrateの形成数が大きくなる。またAir-hydrateの形成数は一定以上の空気含有量が必要である、といった事実が明らかとなった。 3.マイクロ波誘電特性 空気含有量とマイクロ波誘電率の実数部は比例関係にあることが明らかとなった。
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