研究課題/領域番号 |
61460050
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小川 俊雄 高知大, 理学部, 教授 (10025306)
|
研究分担者 |
矢野 漣 高知工業高等専門学校, 教授 (90044198)
木村 昌三 高知大学, 理学部, 助教授 (70036549)
佐々木 宏 高知大学, 理学部, 教授 (80036566)
楠瀬 昌彦 高知大学, 理学部, 教授 (90036533)
|
キーワード | ホイッスラー / ツィーク / 電磁パルス / 雷 / 雷放電 / 気象衛星 / 地球電離層導波管伝搬 / 地震電波 |
研究概要 |
スタンフォード大学と共同で、高知大学地球観測所(高岡郡日高村)に設置したELF・VLFラジオメータを用いて、他の観測点であるスタンフォード、ニューハンプシャー、イタリア、ニュージランド、グリーンランド、北極、南極との8点同時観測を行い、以下の点について研究した。 1.電磁ノイズの発生原因の研究。電磁パルス波形とスぺクトルを、靜岡、京都、阿蘇でも同時に観測し、6つの型に分類した。それぞれは、雷放電のリーダー、正・負の帰還雷撃、雲放電、及び正・負の連続電流によるものと結論した。推定したパルスの発信源は、気象衛生の雲写真から推定される雷雲の位置とよく一致した。 2.電磁ノイズの伝搬機構の研究。サウンドスペクトログラフ(今年度購入)を用いて解析したホイッスラーが、高知の磁気共役点であるオーストラリア北部の雷雲発生とよく一致することを確めた。また受信されるホイッスラーの多重性から、オーストラリアの雷放電の多重度を求めた。一方、この雷放電電流をデルタ関数型と仮定し、伝搬通路に【F_2】層のパラメータを用いて、ホイッスラー波の波型と周波数分散について理論解析を行い、観測結果と比較した。また、地球電離層導波管伝搬のインパルスレスポンスを求め、これから計算した受信電圧波形と観測されたツィーク波形を比較してよい一致を得た。この計算は將来、地震に伴って地殻内で発生する電磁放射のシュミレーションに応用する予定である。 3.地震に伴う電磁放射の研究。1983年6月から1985年7月の期間に発生した地震について、観測された163KHzの電磁パルスの発生頻度を調査した。その結果、地震の規模がM5.5以上で、日本周辺で発生した浅発地震については、地震発生の数時間から数日前より、パルスの発生頻度が増大し、パルスの発生と地震の規模の間に一定の関係があることを見い出した。
|