研究分担者 |
石田 啓祐 徳島大学, 教養部, 助教授 (20116776)
須鎗 和己 徳島大学, 教養部, 教授 (50035672)
塩田 次男 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90035337)
萱間 篤一 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60035334)
神田 精一 徳島大学, 工学部, 教授 (00035586)
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研究概要 |
1.火成岩類:三波川帯の変はんれい岩, 御荷鉾帯のプラジオグラニット, 秩父帯の粗面岩について, その産状, 鉱物組成, 微量成分を含む化学組成を検討した. 三波川帯と秩父帯の火成岩のすくなくとも一部はアルカリ岩に属し, 御荷鉾帯の火成岩はソレアイト岩系に属する. 2.変成度:四国東部では, 全体として南にゆく程地層の上位に向かって変成度が低下するが, 三波川帯のいわゆる無点紋帯内部でも地層の上位に向かって変成度が低下しているかどうかという問題を検討した. これには, 泥質片岩中の石墨の格子面間隔を測定し, その変化を調べた. その結果, 石墨の変化からは変成度のちがいを検出できなかった. 3.堆積環境:三波川帯, 御荷鉾帯, 秩父帯とも, 緑色岩類はほとんどすべて砂質, 泥質の堆積岩であるか, またはオリストストローム中のオリストリスであることがわかった. これらの堆積物の堆積環境はいろいろ考えられるが, 現在のところ決定的な証拠はなにもない. 4.成因:化学組成から, 秩父帯の火成岩は, 海洋島を構成していた基盤岩の破片が堆積物中に包含されたもので, 三波川帯の火成岩の一部も同じである. これに対して, 御荷鉾帯の火成岩は海洋地殻の上部を構成していた岩石が浸食削剥されて海洋の凹部, おそらくは海溝に堆積したものであろう. 5.鉱床:御荷鉾帯にある含銅硫化鉄鉱床は, かならず緑色堆積物中に産出する. これらは二次的堆積鉱床の疑いがある.
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