研究概要 |
1.ZnSeの正孔によるサイクロトロン共鳴を初めて観測し, 有効質量としてM<*(1)h>=1.04Moを求めた. また正孔に対するポーラロン結合定数αh=0.983を決めた. このことから高品質のP型ZnSe作製の可能正が高まった. 2.XnSeの双晶界面内に捕われた電子が強い二次元性を示すことを見い出した. この二次元電子は温度上昇や強い磁場の印加によって二次元一三次元転移を示すことを見い出した. この結果から双晶界面におけるポテンシャルの深さとしてφ=8.9meVが求まった. 3.GaAsにおける量子極限サイクロトロン共鳴吸収の実験から次の様な結果が得られた. (1)中性不純物による電子散乱確率は温度に依存せず, 中性不純物濃度に比例するという特徴は原子散乱モデルから得られる結論と一致するが, 磁場の-1/2集にしたがって散乱確率が小さくなるという量子効果を見い出した. (2)量子極限の領域においても, 中性ドナーによる散乱確立が中性アクセプターによるそれよりも約二桁大きい効果を見い出した. (3)イオン化不純物による電子散乱確率は量子極限下では温度に依存せず, また磁場の-1/2集に比例して変化するという結果を求めた. 4.LEC法で作製した半絶縁性GaAs中のEL2中心に関係する諸特性を遠赤外磁気光共鳴, 超音波吸収およびマイクロ波光伝導の実験から研究した. (1)外部励起光の光エネルギーに強く依存する残留不純物吸収のフォトクエンチング現象が観測された. (2)伝導帯からEL2準位に電子が移行する際の障壁の高さとして46meVを求めた.
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