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1986 年度 実績報告書

非線形誘電緩和スペクトロスコピーによる高分子ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 61460073
研究機関東京大学

研究代表者

早川 礼之助  東大, 工学部, 助教授 (00011106)

研究分担者 大久保 紀雄  東京大学, 工学部, 助手 (80107573)
キーワード誘電緩和 / 非線形誘電性 / 緩和スペクトロスコピー / 緩和時間 / 時間域測定 / 機能性高分子
研究概要

電気・電子機能性をもった新しい各種の高分子材料の設計開発ならびに材料評価には、材料の構造や分子運動に関するミクロなレベルでの基礎的知見を得ることがきわめて重要である。そのための測定法としては、電場Eに対する電気変位Dの線形応答を観測する線形誘電緩和スペクトロスコピーが広く利用されてきた。これに対して、DのEに対する非線形応答は、線形応答に比べて材料の微視的構造や分子運動にはるかに敏感に依存するため、ミクロなレベルでのより豊富な情報を与えることが期待される。そこで、本研究では、高感度・広帯域の非線形誘電緩和スペクトロスコピーの開発を行い、さらにその測定法を各種の高分子機能性材料に適用して、その設計・評価に役立てることを目指した。
本年度は、時間域における非線形誘電緩和測定法の開発を行なった。試料に矩形波電場を印加したときの電気変位応答の立ち上がり過程【D_1】(t)は、電場振幅が小さいときには、電場除去時の減衰過程【D_2】(t)と共通の緩和時間をもつが、電場振幅が増大するにつて加速効果を示すため、【D_1】+【D_2】にはピーク特性があらわれる。本研究では、特殊な多電極セルおよび印加電場波形を用いることによって、時間域における非線形誘電性を特徴づけるこのピーク応答の高感度検出を実現した。得られた応答信号は、高速(10nsサンプリング)のディジタル・ストレージ・オシロスコープで波形記億され、さらにS/N向上のために多数回平均加算された後、パーソナルコンピュータに転送されて、非線形ピークの特性パラメータの高精度検出が行なわれる。
測定用のハード面では、試料セルの設計・製作、電場印加用パルサー・広帯域電荷増幅器の製作、ソフト面では、測定制御・データ転送用および非線形ピーク解折用のプログラムなどの開発が行なわれ、時間域における非線形誘電緩和測定システムが完成した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 早川礼之助: Reports on Progress in Polymer physics in Japan. 30. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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