研究概要 |
φ20×7mmのAl_2O_3とφ20×2mmのCuの接合体が,△Tだけ一様に温度が低下するときの熱応力を有限要素法で熱弾塑性解析し,次の結論を得た. (1) 接合体の中央部断面に生ずる熱応力6rの大きさおよび分布は, 無限寸法の異材接合体に生ずる熱応力6rcの大きさおよび分布とほとんど同一である. 6rcは箇便な計算式によって算出することができる. (2) 外側部の応力は上記の中央部の応力とは全く異なっており,特に軸方向引張応力6zが大きく,それが局部的に集中して発生する. 本研究の接合体の場合 (6z)max/16rolmaxは1.72であった. (3) 6z≧16rolmaxになっている範囲は外側部の極めて狭い範囲に限定されており,その半径方向の範囲を△a,軸方向範囲を△tcとするとこの試験体の場合は,△a/a≦0.02,△tc/tc≦0.25の範囲であった. (4)Al_2O_3の形状を円錐台形にし,円錐台形の角度をθとするとき,θが大きい方(接合面より底面が広いとき)が(6z)maxは減少する. このように,接合体に生ずる(6z)maxは接合体の形状によって異ってくる. (5) Al_2O_3ーCuおよびSi_3N_4ーSUS304について接合実験を行った. 接合したセラミックスの外表面付近に発生する6zのX線応力測定値は, 有限要素法の計算値と比較すると,相対的には小さい値であったが,応力分布の傾向はよく似た傾向を示した.
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