研究概要 |
細管ノズル先端に非一様磁場を印加させて,磁性流体の粗大液滴を生成させその挙動を高速度カメラで撮影し,さらに液滴生成の周期,液滴径について調べる. 実験装置は液体供給部,圧力部,磁場作用部,ヘッド部および測定部より構成されている. 電磁石は全長65mm,磁極径50mmのソレノイドコイルで,磁束密度は約0.16Tまで連続的に変えることができる. 細管ノズルはガラス製で管径d=120,210μmでいずれも長さl=160mmである. 供試磁性流体は蒸留水で重量濃度5.6%,10.3%,13.2%,16.6%,22.5%に希釈したものとケロシンベース11.8%を用いた. いずれも磁性微粒子は同一マグネタイトを使用している. これらの液体の密度,表面張力,動粘度および磁化の強さが測定されている. 液滴生成および飛しよう状態などを詳細に調べるために高速度カメラを用いて撮影を行なった. 流量は背圧が一定であるならば磁束密度Bを変化させてもほぼ一定値を保っている. また背圧,濃度が大きいほど流量は小さくなっている. 液滴の生成周期は磁気体積力が大きいほで短く,これが一定ならば背圧が低いほで少し長くなっている. 液滴径は磁気体積力が大きいほど小さく,これが一定ならば濃度が大いほど小さくなる. 次元解析の結果,無次元周期T^*=TV_o/d(T:液滴の周期,V_o:管内平均流速)はT^*=f(Nm,We,Re)と表せる. この式中の無次元数はそれぞれ Rc=(ρV_od)/η(レイノルズ数),We=V_o√<(ρd)/σ>(ウェバー数),N_n=(μ_0<M)/(ー.ニDAHd>^^^<σ)(∞(磁気体積力)/(表面振力による力))を表す. 但しη:粘度,ρ:密度,σ:表面張力,.ナDAー(/)M>;平均磁化強さ,H:印加磁場の強さ,μ_o:眞空中の透磁率である. 実験結果よりT^*=890ReD10.11^<We>0.29^<Nm>-0.98D1なる実験式が得られる.
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