研究分担者 |
田中 克典 九州大学, 工学部, 助手 (40037833)
高田 保之 九州大学, 工学部, 助教授 (70171444)
藤田 恭伸 九州大学, 工学部, 教授 (90037763)
尾崎 龍夫 九州大学, 工学部, 教授 (40037742)
清水 峯男 九州大学, 工学部, 教授 (00112300)
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研究概要 |
水質量速度が低いフォグ冷却を対象に, 噴霧ノズルの流動特性の測定および伝熱実験を行った. 噴射距離は520〔mm〕に固定し, 水質量速度W=0.02〜0.14〔kg/m^2s〕, 液滴径d=15〜36〔μm〕, 衝突速度V=4〜7.2〔m/s〕, 伝熱面温度100〜600〔°C〕の範囲の伝熱実験を行った. 実験結果をもとに, 膜沸騰相当領域における熱伝達の理論解析を行った. フォグ冷却による全伝熱量は, それぞれ独立に計算される伝熱面と周囲空間との放射伝熱q_e, 空気の流れによる強制対流伝熱q_aおよび液滴群の蒸発による伝熱q_wの三者の和で表わされると仮定した. 放射による熱流束については, q_e=εσ(T_w^4-T_∞^4)で計算する. 放射率εについては空気のみによる強制対流伝熱実験より求める. 次に, 空気の流れによる強制対流伝熱については, 流れを軸対称よどみ点流れで近似することにより, q_a=5.4Pr^<0.4>λ_a√<V/ν_a>(T_w-T_a)の理論式を得た. 液滴群の蒸発による熱流束は, 伝熱面上に落下した液滴が, 空気流に引きずられて伝熱面上を移動するモデルを採用することにより, q_w=2.15×10^3λ_uW(T_w-T_<Sat>)X^<0.25>/ρ_1Vdなる半理論式を得た. ただし, 解析において個々の液滴は球状で固液接触することなく伝熱面上に浮いているものとし, 伝熱面からの熱は蒸気膜を介しての熱伝導蚤のみによるものとして計算した. このモデルによる解析により, 液滴群の蒸発による伝熱量は水質量速度Wに比例し, 液滴の直径dの0・5乗と衝突速度Vの0.5乗に逆比例することが分かった. 本理論解析により計算された全熱流束は, 伝熱面温度250〜600〔°C〕の範囲の実験結果と非常によく一致した.
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