研究課題/領域番号 |
61460133
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮原 秀夫 阪大, 基礎工学部, 助教授 (90029314)
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研究分担者 |
下條 真司 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00187478)
西田 竹志 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20156079)
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キーワード | オブジェクト指向 / 分散処理システム / UNIX / ネットワークOS |
研究概要 |
本年度はUNIX上にネットワーク・ワイドな標準的界面を提供するオブジェクト指向の概念を取り入れたネットワーククOS(【O^2】NE:Object Oriented Network Environment)の開発を行なった。【O^2】NEでは、ネットワーク上の計算機、データベースプログラムなどの資源をオブジェクトとして捉え、ネットワーク内でのデータのやりとりは全てオブジェクト間のメッセージ転送として見る。このため分散処理環境における一つのマシンには最低一つのメタクラスサーバー(Metaclass Server:MCS)が走っており、MCSを通してネットワーク上の他の資源をオブジェクトとして扱うことができる。MCSが扱うことができるネットワーク上の資源、つまりオブジェクトは、MCS内のクラス辞書(class dictionary)に階層化してその仕様(クラス)が収められており、すべての資源はそれにメッセージを送ることで何らかの処理を行なうことができる。【O^2】NEは現在UNIXの下で開発されており、UNIXの一部の機能を借りながらオブジェクトの世界を構築している。UNIX上にはMCS、objshの二つのサーバーが走っている。objshは主としてユーザーインターフェースを受け持ち、ユーザーからのコマンドをメッセージに変換してMCSに送る。【O^2】NE上でインスタンスはUNIX上のプロセスとして実現される。インスタンス同士はUNIXのsocketを用いてメッセージの授受を行なう。 さらにこのような分散環境上での問題として、分散処理システムにおけるプロセスの動的割当法を新たに提案した。現在【O^2】NEのMCSの実現がほぼ終了しており、来年度は【O^2】NEを用いたアプリケーションの開発を行なう予定である。それと平行して分散処理システムにおけるプロセス割当問題などを考えていく予定である。
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