研究課題/領域番号 |
61460138
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
相磯 秀夫 慶応大, 理工学部, 教授 (90051250)
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研究分担者 |
天野 英晴 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (60175932)
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キーワード | 三次元回路素子 / 三次元VLSI / 計算機アーキテクチャ / 三次元構造ネットワーク / 三次元シストリック / アレイFFT |
研究概要 |
三次元集積回路は能動素子の高集積化に対する限界を暖和する技術として研究開発が緒についたところであるが、三次元構造素子がもつ本質的な特徴を活かすアーキテクチャの観点からの研究はほとんど行なわれていない。本研究は三次元素子が備える個有の特性を明確にすると同時に、三次元VLSIに適した処理アルゴリズムならびに計算機アーキテクチャのあり方を考察することを目的とし、昭和61年度は以下に示す研究を行っている。 1.三次元集積回路が備える物理的・論理的な特性について、新機能素子研究開発協会の専門技術者ならびに主要大学・企業の研究者と討論を行ない、その成果を学会誌に報告した。 2.三次元VLSIに適した応用について考察し、三次元回路素子に期待する物理的性質を示し、具体例のシミュレーションを通して、その有用性を明らかにした。成果は研究成果報告書ならびにInternational Conference or ComputerDesign'86(New York)のLunch-on-Speechで発表した。 3.デイジタルPBXに三次元VLSIの同時書込み可能メモリが有用なことを示し、その評細を学会誌に報告した。 4.通信回線やコンピュータの相互接続に重要なダイナミック・ネットワークの三次元VLSI化について検討を加え、素子レイアウトを通して、ネットワークの性能に最も大きな影響を与える配線長を二次元VLSIの場合と比較し、三次元化による利点を明確にした。この研究成果は学会誌に投稿中である。 5.FFTプロセッサの三次元シストリック・アレイ化について理論的な考察を行ない、効率的な処理アルゴリズムと設計法を考案した。研究成果は学会誌に投稿予定である。 6.暗号器の三次元VLSIモデルを通常素子を用いて試作した。特性の評価を行い、その具体化に役立てる予定である。
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