研究課題/領域番号 |
61460140
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 皓司 東北大, 電気通信研究所, 教授 (30005326)
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研究分担者 |
〓 鐘石 東北大学, 電気通信研究所, 順手 (20165525)
小野 昭一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00005232)
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キーワード | 逆スミス・パーセル効果 / レーザー加速器 / サブミリ波 |
研究概要 |
我々は、本年度当初の研究計画に従い、まず逆スミス・パーセル(ISP)効果のサブミリ波帯(波長496μm)における理論的検討をより詳細に行い、その結果に基づいて、C【O_2】レーザー励起サブミリ波レーザーの製作,レーザー光を回折格子まで導く光学系(レンズ等)の組み立て、そして電子エネルギーの測定系の最適化を行った。以上の準備のもとに、ISP効果の検証実験を行い、本年度後半、世界で初めてこの効果の観測に成功した。以下に、今年度実施した研究の結果と今後の研究方針について述べる。 1.実際の実験条件を考慮したISP効果の計算器シミュレーションの実施。 2.4W以上の単一ピークパルス出力及び基本ガウスモード発振するC【O_2】レーザー励起サブミリ波レーザーの製作: 1.の計算結果より、ISP効果の検証実験で使用するサブミリ波レーザーに要求される性能として、特に基本ガウス形の発振横モードを得ることが、電子とレーザ光との効率的な相互作用を実現する上で不可欠であることがわかった。そこで、サブミリ波レーザーの励起源として、新しくメカニカルチョッパー式にEQスイッチC【O_2】レーザーの研究開発を進め、ISP効果検証に十分使用可能な性能を持つ【CH_3】Fガスレーザー(波長496μm)の製作を終了した。 3.サブミリ波レーザー光を回折格子面上まで導く光学系の製作完了。 以上述べた通り、ISP効果の実験的検証に成功し、当初の目標を逹成した。今後、すでに開発済みである高安定EQスイッチC【O_2】レーザーによる注入同期を行い、動作の確認を終えたTEAC【O_2】レーザーの単一モード化を実現し、サブミリ波レーザー出力を1桁以上大きくすることによって、ISP効果に関する理論と実験結果との照合を精密に行う予定である。
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