研究課題/領域番号 |
61460143
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
岡村 総吾 東京電機大学, 総合研究所, 教授 (50010616)
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研究分担者 |
田宮 壽美子 東京大学, 工学部, 助手 (90010925)
川瀬 宏海 東京電機大学, 工学部, 助教授 (10057234)
町 好雄 東京電機大学, 工学部, 教授 (20057219)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 高速検波器 / 島状構造金属薄膜 / 真空蒸着 / ミリメートル波光波 / CO_2レーザ / HCNレーザ / 検波感度 |
研究概要 |
我々が今回研究の対象とした検波器は、島状金属薄膜の金属の島間を流れるトンネル電流の非線形性による検波作用を利用するものである。研究中に新たに生じた種々の問題点のため、最終的に得られた検波器の特性は、50GHz帯でNEP(Noise Equivalent Power)が5×10^<-9>W/ Hz程度であったが、原理的にはミリメートル波から赤外線に亘る広い周波数領域において、無調整かつ室温で動作する超広域拘束検波器を期待することができる。以下に得られた成果の内主なものについて述べる。 1.島状金属薄膜素子の作製 絶縁物基板の上に金属(Pt)を真空蒸着する際基板の電極間に数kV/cmの直流または交流の電界を印加すると検波感度の良い素子が得られるが、電界が域値以下では効果がなく、逆に域値以上では電極との境界部分に亀裂が生じて破損し易い事が判明した。 2.50GHz帯における検波感度の測定 素子の形状も含めた検波部分と出力回路との整合及び付加容量の影響などを考慮して新たにマウントを設計・製作した。これを使用する事により変調周波数特性が改善された。 3.波長10.6μm帯における検波感度の測定 10.6μmの光波は溶融石英、ガラスなどをほとんど透過しないため、検波素子の基板としてはKClの壁開画または研摩面を用いた。KCl基板の島状薄膜素子を挿入した検波器にCO_2レーザ出力の光波を照射して実験を行ったところ、検波出力は得られたが定量的な評価が行える程安定な特性を得るには至らなかった。 4.波長337μm帯における検波感度の測定 この波長では溶融石英基板が使用可能となり、薄膜素子を装置したマウントを準備したがHCNレーザの再調整に予想以上に手間取り、検波感度を測定出来なかった。以上残念ながら光波帯での測定結果は得られなかったが、基板特性や10.6μm帯における検波実験等から推測して、ミリメートル波から赤外領域に亘る超広帯域検波器の実現は十分可能性があるものと確信する。
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