研究概要 |
近年, 半導体集積回路, 集積工学デバイス, 弾性表面波デバイスなどの研究・開発分野において, 薄膜材料及び薄膜作成技術はデバイス作成プロセスの中で, 極めて重要な位置をしめている. デバイスを設計するためには, 薄膜状態における関連した諸物理特性の詳細なデータが必要とされている. これまで薄膜の構造及び力学的, 光学的, 電気的, 磁気的などの諸性質については広く研究されてきている. しかしながら, 薄膜材料の弾性的, 音響的性質に関しては, それが物質の最も基本的物理特性でありながら, その定量的計測法が確立されていないこともあり, 十分な研究は進んでいない. 本研究はこのように, これまでほとんど得ることができなかった薄膜のas-grown状態での弾性的性質を簡便かつ高精度で測定でき, 広い範囲の材料に適用できる薄膜音響特定測定法を確立することを目的とする. 61年, 62年度の研究成果を要約すると以下のようになる. 1.新しい薄膜音響特性測定法の開拓:直線集束ビーム超音波顕微鏡システムを層状構造試料の弾性的性質を評価する手段として広用し, 高性度に薄膜の音響特性を回析する方法を開拓した. 2.測定に関与する漏洩弾性波のモードとその伝般特性を理論的に解析し, 測定結果の解釈法を明らかにした. また, この解析プログラムを測定データと用いることによって, 薄膜の音響特性を決定できることを明示した. 3.電子デバイス材料の研究分野における実用的応用の開拓を行った (1)速度分散特性を利用した高精度膜厚測定法の確立. (2)半導体デバイスプロセスで用いられる誘電体膜(S_1O_2, SiNx)の音響特性の作成条件依存性の検出. (3)ZnOの多結晶膜と単結晶膜の音響特性の相違の検出. (4)イオン注入層の音響特性度の検出.
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