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1986 年度 実績報告書

超音波反射波による無侵襲体内深部温度計測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61460149
研究機関東京大学

研究代表者

斎藤 正男  東大, 医学部, 教授 (60010708)

研究分担者 池田 研二  東京大学, 医学部, 助手 (70010030)
渡辺 瞭  東京大学, 医学部, 助教授 (00009937)
キーワード超音波 / 無侵襲計測 / 生体温度計測 / 減衰定数
研究概要

本研究の目的は、超音波反射波を用いて、無侵襲でかつ適切な空間分解能を持つ体内深部温度計測法を開発することである。超音波伝搬における組織減衰定数の周波数微係数βが、温度依存性を持つことに着目し、βの分布を反射波のパワスペクトルから求めることで、体内深部温度分布を測定する。このためには、適切な空間分解能と測定精度を持ったβの推定法の開発と、組織のβの温度依存性についての基礎データを得ることが必要である。
まず、組織境界面からの大きな反射波成分はスペクトルの歪を増大させるため、βの測定には微細で不規則な反射波成分が適している。このため、反射波からこの二成分を分離するフィルタを設計し、これによりβの推定精度が向上することを確かめた。
次に、適切な空間分解能を保ちながら温度の測定精度を高めるため、パワスペクトルの変動分の低減を目的とした効果的な空間平均化法や、測定点での値から滑らかな温度分布を得るための補間法について検討した。
更に、βの温度依存性を様々な組織標本に対して計測し、基礎データの蓄積を行った。これにより、同じ組織でも摘出してからの時間や保存状態によりβの温度依存性が大きく変化することが明らかになり、より生体に近い状態で計測を行うには、これらの点についての考慮も必要であるとの知見を得た。同時にβの温度依存性について、粘性係数の変化など生体物性に基づく理論的検討も行った。
以上により、今後の研究を進めていく上での初年度の目標は、ほぼ達成されたと言える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 椎名毅: 電子通信学会論文誌. J69-A. 1085-1093 (1986)

  • [文献書誌] 斎藤正男: 癌と化学療法. vol13,No.4. (1986)

  • [文献書誌] 椎名毅,鈴木良次,池田研二他編: "「生体信号の計測と相関・スペクトル解析」" コロナ社, (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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