研究課題/領域番号 |
61460154
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
池畑 光尚 横国大, 工学部, 教授 (10114969)
|
研究分担者 |
田草川 善助 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60017902)
鈴木 和夫 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80111699)
丸尾 孟 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30017842)
|
キーワード | 船尾流場 / 干渉問題 / 粘性と自由表面流 / レーザードップラー流速計 / 流場計測 |
研究概要 |
本年度は、粘性流場と自由表面流の干渉問題を取上げた。この問題は、船体とプロペラとの干渉問題の前に解決しておかねばならない課題である。船体表面に沿って形成される境界層とそれに続く伴流即ち粘性流場が、自由表面流即ち船体まわりにできる造波の波形に、どのような影響を与えるかという問題である。境界要素法の一種であるランキンソース法に着目し、それに境界層の積分的解法とを組合せて、逐次に近似を上げていくという方法を用いて、粘性影響による総圧損失を考慮した自由表面条件を境界条件とする境界値問題を、数値的に求解していく方法を開発した。ウィグレー模型(水線、肋骨線が放物線の数学模型)に関する数値計算結果は、船側波形も、圧力分布も、造波抵抗及び全抵抗でも、実験値にかなり近い良好な結果を得ることができた。以上のように、理論的アプローチの第一段階では、一応研究はうまく進んだといえる。 一方、船体周辺及びプロペラ周辺の流場計測へのレーザードップラー流速計(LDV)の応用研究という課題においては、少しく前進がみられたが、多くの課題を将来に残した。本年度はまず日本カノマックス社製LDVシステム一式を購入して、模型プロペラ後流の計測を試験水槽で実施した。回転前進中のプロペラのすぐ後で、軸方向流速と回転方向流速の2成分の計測を行った。流速の大きい軸方向流速の成分の計測には精度確保に必要な数の通過粒子信号が得られたが、絶対流速の小さい軸方向流速成分の計測では通過粒子の数が少く信号が不足することが多くて信頼できるデータを得るには多くのサンプルを得るために何回もの航走が必要であった。このことから、今後、試験水槽でLDVを実用して流場計測を行うには、低速流場中ではシーディングをする等の特別の工夫が要るであろう、ということが判明した。
|